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半導体業界の実情とIoT市場への期待

半導体は社会になくてはならないものですが、半導体業界が常に潤っているというわけではありません。ここでは長期的に見た場合の半導体業界の厳しさやトレンド、IoT市場への期待や課題について解説していきます。半導体業界の大きな動向は私たちの日常生活にも変化をもたらし、他のビジネス領域にも影響を与えていきますので、これをチェックしておくことで社会全体の移り変わりにもついていくことができるでしょう。

 

半導体業界の厳しい実情

細かな業界、企業単位で見ていくと、それぞれに状況は異なります。具体的に困っている内容は違っていることでしょう。ただ、広い視点で見てみると「ムーアの法則」の限界や、コモディティ化した製品の利益率低下といった点で共通する現状があります。今現在こうした問題に直面していなかったとしても今後の発展に際して大きな障壁となる可能性がありますし、サプライチェーンを含めた間接的な影響を受ける可能性もあります。

 特にムーアの法則の破綻、集積率の進化に関してはいずれ技術的な限界がやってくるだろうと言われています。異なる方向性へ進むことなどによってこの問題は解決されるかもしれませんが、微細化の加速的な進化に依存したままの方針を立てていると、いつか継続的な活動が難しくなると見られています。

 →ムーアの法則とは?

半導体そのものの需要が絶えなかったとしても、製品のコモディティ化によって企業が大きな利益を得ることが難しくなることが想定されますし、ひいては業界全体の経済的利益が下がってしまうおそれさえ存在します。

 

IoT市場に期待が寄せられる

単純に需要が増せばその分潤うというわけではありませんが、IoT市場はこれから大きく成長すると予測されていることから大きな期待が寄せられています。複合領域が広く、多様なビジネスチャンスの可能性を秘めているからです。半導体業界のみならず、複合するその他の業界が発展すればその影響を受けて半導体のニーズも変化することになります。

すでに一般的になりつつあるクラウドもそうですし、AI市場にも今後期待はできます。ただ、分かりやすい形で半導体業界に広く影響を及ぼすのが、あらゆるモノを繋げるIoT市場であると考えられます。

 

IoTのおさらい

IoTとはInternet of Thingsの略称で、直訳するとモノのインターネットです。要は、あらゆるモノがインターネットを介して繋がるということです。文字通りあらゆるモノが対象となり、通信機能を備えることが想定されています。家電や工場内のマシンなどといった、本来通信技術を搭載する必要のないモノにまで及びます。

本来の目的を果たすだけであれば通信機能を持たせる必要がないようにも思えますが、あらゆるモノがインターネットを介することで膨大なデータが蓄積できるようになり、より高度な分析が可能となるのです。新たなサービスの創出であったり、利便性をさらに高めたり、様々な可能性を秘めています。

IoTによる恩恵を受けるにはビッグデータの技術などが不可欠ですが、それ以前にあらゆるモノが通信技術を備えなければなりません。そこで活躍するのが半導体です。アナログなモノにまでセンサーや通信技術を搭載することがあり得るため、半導体の需要はその分増加することになります。

 

IoT市場の課題

期待されているIoT市場ですが、近年伸びてきた分野であり、まだまだ課題も残されています。特に注視すべき課題がセキュリティです。安全にできる利用環境の確保がIoT製品の普及を左右するとも言われています。サイバー攻撃は巧妙化しており、大規模な損害が生じる事例も起こっているため、安全性が担保されなければ利用者が増えにくいからです。

IoTとなればその特性上、誰でもどこでも被害を受ける可能性が生じ、被害が波及していくおそれもあります。そのためIoTに関するセキュリティ対策は、政府や業界団体も一体になって取り組みが進められています。ただ、攻撃手法が多様であるためこれを完全に防ぐことは不可能だと考えられています。

そこで近年の方向性としては攻撃を受けないようにする事前策を万全にするのではなく攻撃を受けても被害を最小限に留められるよう迅速な事後対応に努めることだと言われています。しかしながら自動運転車両への攻撃が発生すると人名にも関わってくるため、ケースバイケースで考える必要があるでしょう。

 

データセンターの需要

また、IoTが進展すると、これまでと比較にならないほど膨大なデータを処理しなければなりません。そうすると、データ管理や転送を円滑に進める環境の整備、強化が不可欠です。クラウドも必須ですので、このデータ管理においてキーとなるのはデータセンターです。クラウドサービスがさらに充実していけば企業や個人がわざわざサーバーを設置する必要性は低くなり、よりデータセンターに多くのデータが集約されることになります。

しかし、サービスの選定は慎重に行わなければ、海外のデータセンターに重要なデータが保管されることになり、現地法令の影響をもろに受けてしまいます。現地政府がデータの管理権限を持つおそれもあるということです。そのためデータセンターにも着目していく必要があるでしょう。

 

まとめ

ムーアの法則に沿う形で半導体製品は進化を続けてきましたが、近い将来進化の方向性を切り替える必要があるでしょう。最近だとIoT市場に期待が寄せられていますので、ここが新たなビジネスチャンスになるかもしれません。

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