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半導体製造装置の市場~世界シェアと日本国内の主要メーカーについて~

日本は半導体“製造装置”産業に関して強く、世界的に見てもこの分野では発達していると考えられています。具体的にどれほどの存在感を世界に対して示せているのか、そしてどのような企業がそれに寄与しているのか、ここで解説をしていきます。

 

半導体製造装置市場の現状

世界の半導体製造装置販売額(2020年)は700億ドル超です。その前年には600億ドルに満たない額であったことを考えれば、大きく伸びている分野であると評価できるでしょう。エリア別に見ると、アジアが同分野で世界を牽引していると言われています。

実際、中国を筆頭に、台湾や日本、韓国などが世界シェアの8割以上を占めていることがわかっています。中国は近年大きく成長を遂げており、今では半導体製造装置の販売額シェア25%以上で世界トップです。これに対し日本は、比較的上位層には位置しているものの、シェアは10%ほどと、アジア4強の国のうち4番目にとどまっています。

 

半導体市場との比較

半導体市場は、4000億ドルを超え、半導体製造装置市場の6倍ほどの規模を有しています。それも年々拡大の傾向を示しており、今後もさらに伸びてくると考えられています。ただ、半導体製造装置市場についても成長をしていないわけではありません。波があるとはいえ、着実に伸びてきているのです。日本だけで見た場合、製造装置市場の割合が、世界的に見た場合に比べて大きいとされています。日本国内で製造装置市場の存在感が大きいということです。

 

半導体市場の成長サイクルについて

年々その重要性を増してきている半導体市場ですが、常に好況なわけではありません。上向きに伸びている時期もあれば、下降する時期もあります。他の市場と比べると、そのサイクルが早いのが特徴的です。短期的に好況と不況を繰り返しつつ、全体としては上向きに成長をし続けているのです。このような半導体市場のサイクルは、半導体素材の代表例であるシリコンをもじって「シリコンサイクル」と呼ばれることもあります。

 

日本の主要半導体製造装置メーカー一覧

売上高ベースで評価した場合、トップに位置しているメーカーはアメリカの「アプライドマテリアルズ(AMAT)」です。第2位に位置するオランダの「ASMK」とともにトップ争いを続けています。第3位もアメリカの「ラムリサーチ」ですが、第4以降は、次の通り、日本のメーカーが数多くランクインしています。

 

  • 東京エレクトロン
  • アドバンテスト
  • SCREEN
  • 日立ハイテク
  • Kokusai Electric
  • ニコン
  • ダイフク

 

東京エレクトロンは上位3位にも負けない大きな売上高を記録しており、半導体製造装置メーカーとして世界的に突出した存在であると評価されています。以下では、これら日本の主要メーカーに焦点を当てていくつか紹介をしていきます。

 

東京エレクトロンについて

東京エレクトロンは、国内トップの半導体製造装置メーカーです。売上高は1兆円を超し、世界の半導体装置市場の2割近くにも達しています。取り扱っている装置の幅も広く、特に微細化加工において近年注目を集めている“EUV露光”用の塗布および現像装置に関して、非常に大きなシェアを持っています。2014年頃からはスマート家電の使用量が増したという背景もあり、売上を大きく伸ばしています。研究開発に対する投資にも積極的で、数千億円単位の投資を行うとの意向も示しています。

 

アドバンテストについて

アドバンテストは、国内では東京エレクトロンに次いで大きな売上高を誇るメーカーです。強みとしているのは“検査装置”です。2019年に「SoCテスター」のニーズが増したという事実も後押しし、検査装置の分野では世界トップクラスに位置しています。

 

SCREENについて

SCREENは“洗浄装置”の分野に強い半導体製造装置メーカーです。国内では3番目の売上高です。近年の動向としては、2019年に最新工場の「エス・キューブ スリー」の建設をしたこと、そして2020年にアプライドマテリアルズと共同開発の契約を締結したことが挙げられます。エス・キューブスリーは、大型の自動倉庫を備えている点が大きな特徴です。搬送作業や保管作業の効率化が進み、作業効率が非常に高いと評価されています。


アプライドマテリアルズとの連携では、双方の技術を併せてより高度な洗浄技術を構築することが目標とされています。

 

日立ハイテクについて

日立製作所の子会社が日立ハイテクです。特に“エッチング装置”“計測・検査装置”に強みを持っているメーカーです。その他自動車や医療機器など半導体製造装置以外の装置なども取り扱っています。山口県や茨城県に主要な向上を構え、2019年にはさらに茨城に新工場が完成。大規模な工場であるだけでなく、スマートファクトリーとしての機能を備えている点でも注目を集めています。

 

まとめ

半導体市場に関して、他国がそれぞれの施策に取り組み着実に成長を遂げてきている中、日本の半導体市場に対しては不安視されるケースも多いです。しかし半導体製造装置の市場ではまだまだ世界でもトップクラスを維持しており、有力なメーカーが新たな動きも見せています。

 

 

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