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フッ素樹脂の市場について~世界市場や国内外の主要メーカーなど~

フッ素樹脂は化学的安定性や非粘着性などの性質を持つことから、世界中で幅広い用途で使われています。具体的にどれ程の市場規模にあるのか、今後の成長性、国内外の市場や主要メーカーについて、ここで簡単に紹介します。

 

フッ素樹脂に関する世界の市場規模

世界のフッ素樹脂市場は、数百億ドルのレベルに達しているといわれています。フッ素樹脂の優れた性質が自動車や航空、医療など幅広い分野に適していることから、世界的に需要が増していると考えられています。また、昨今のトレンドである省エネや軽量化といったニーズを満たす上でも重要な材料であると評価されています。

特にアメリカでの市場規模が大きいです。フッ素樹脂の需要が高く、今後もフッ素樹脂市場は成長していくと予想されています。その中でも多く使用されているのが「PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)」いわゆるテフロンなどです。アメリカの市場における半数はこのPTFEが占めています。

 中国もやはり最大規模の市場です。製造量も多く、自動車、建設、医療、エレクトロニクスなどで広く需要が高まっています。最近だとインドも注目国です。急速に経済成長しており、社会全体の変容も激しいことから、インフラなどへのフッ素樹脂需要も高まっています。その他、日本や韓国、インドネシアやタイといった東南アジア諸国などでも今後の市場の成長が期待されています。

 

市場規模から見る主要なフッ素樹脂

「フッ素樹脂」にも様々な種類があります。その中でも「PTFE」は他のフッ素樹脂と比べても大きな市場を持っており、その意味ではフッ素樹脂の代表格であるといえるでしょう。「ポリテトラフルオロエチレン」とも表記されることがありますし、さらにその1種に「テフロン」があります。耐熱性や非粘着性、耐薬品性に優れ、医療器具や食品用品、自動車部品など広く使用されています。

次いで大きな市場となっているのがFEPです。「フッ素化エチレンプロピレン」「パーフルオロエチレンプロペンコポリマー」とも表記されます。PTFEに比べると表面にやや粘着性があること、成形性が高い点に特徴があるといえます。成形性とはつまり、狙った形状の作りやすさを表します。複雑さ、細かさを要する配線の被覆や医療器具、また粘着性に基づいて接着剤として使われることもあります。

 

続いてPFAが挙げられます。「フッ素化アクリル」や「パーフルオロアルコキシアルキレン」とも表記されます。FEP同様に成形性があります。他方で、FEPよりも熱への耐性が高いという特性も持っています。そのため半導体製造装置としてや、調理関連への使用もされています。「ETFE、「エチレンテトラフルオロエチレン」とも呼ばれるフッ素樹脂もあります。こちらは透明性があること、柔軟性や強度に優れている点が特徴的です。また、比較的安価である点などからも、様々な分野で使用されています。

 

フッ素樹脂市場の歴史

フッ素樹脂は高機能な素材として広く使われるようになってきていますが、現在においても他の素材に比べるとやや高価で、製造には高い技術力を要します。そのため長い歴史を持っているわけではなく、これだけ大きな市場になってきたのはここ数十年の話です。

80年ほど前の開発からフッ素樹脂の歴史は始まり、最初にテフロンが登場。その後軍事への活用を経て、1970年頃には自動車産業など、一般社会への流通も進みました。さらに1980年頃には家庭用品にもフッ素樹脂が使われるようになり、ここから市場が急速に成長していったのです。2000年頃になると周辺技術の向上もあって、医療やエレクトロニクスへの応用が始まりました。

 

フッ素樹脂に関する主要なメーカー

フッ素樹脂に関する主要なメーカーとして、アメリカの「デュポン」3Mが挙げられます。

デュポンは世界トップクラスの化学メーカーで、フッ素樹脂の製品を含む様々な化学製品を取り扱っています。フッ素樹脂の1種であるテフロンも主要製品で、同社から自動車業界、建設業界、医療業界、エレクトロニクス業界など、多様な業界にフッ素樹脂が提供されています。3Mは製品ラインナップが豊富であること多国籍企業であることが特徴的です。フッ素樹脂のコーティング、テープ、フィルムなどを取り扱っています。

 

日本だと「ダイキン」が代表例として挙げられます。世界にも通用し、ダイキンの製品はグローバルに高い評価を受けています。テフロンやフルオロポリマーなどが主要製品です。ダイキンも自動車から航空、宇宙、建設、その他多様な業界と繋がり、フッ素樹脂製品を提供しています。「AGC」も大手化学メーカーで、フッ素樹脂関連の製品も広く取り扱いがあります。フッ素樹脂加工、フッ素樹脂コーティング、フッ素樹脂フィルムなど、高い質のフッ素樹脂製品を提供しています。

 

まとめ

簡単にフッ素樹脂に関する市場の概要を説明しました。日本のみならず、世界でも広くフッ素樹脂に対する需要は存在しています。また、優れた性質が評価されており、今後も様々な業界でフッ素樹脂が活用されていくと見られています。フッ素樹脂には優れた性質がいくつか備わっています。ただ、あらゆる面で優れているわけではありませんし、弱点についても理解した上で、シチュエーションに適した使用をすることが大事です。そこでこの記事ではフッ素樹脂の優れているところや、弱点について説明をしていきます。

  

  

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