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3M(スリーエム)はどんなメーカー?主な製品やフッ素樹脂の取り扱いについて解説

一般の方もよく目にする「ポスト・イット®」は、3M(スリーエム)というメーカー発のブランドです。3Mはこのように、私たちの生活に深く関わる製品を多数製造しています。活動領域がとても広く、ヘルスケアからエレクトロニクス、自動車産業まで多岐にわたります。そしてその一部としてフッ素樹脂の取り扱いもあります。

当記事ではそんな3Mについて概要を説明するとともに、主なブランド、同社のフッ素樹脂製品について解説をしていきます。

 

3Mの概要

3Mはアメリカ(ミネソタ州)に本社を置くメーカーです。創業から100年以上の歴史を持ち、世界各地に事業展開する多国籍企業でもあります。粘着テープや研磨材、電気絶縁材、セラミック材料、医療用製品、産業用製品などとても幅広いジャンルの商品を製造・販売しています。3Mの製品としてよく知られているのは「ポスト・イット®」というブランド名の付箋ではないでしょうか。日本の一般消費者にも馴染みのある商品です。他にも医療業界、エレクトロニクス業界、多様な産業向け製品も提供しています。

 

3Mの特徴・強み

3Mの特徴や強みは、次のように整理することができます。

 

  • 幅広い製品ジャンルを持つ
    ジャンルにとらわれない、広範な商品の製造・販売をしており、多方面から世界の人々の生活を豊かにしている。
  • イノベーションに注力する
    高い技術力を駆使して新製品の開発を続けている。
  • ブランド力の強さ
    多数の国に事業展開し、有力なグローバル企業として地位を確立する。多数のブランドも有し、高い知名度と信頼を得ている。
  • 社会貢献活動に積極的
    企業の社会的責任を重んじ、社会貢献や環境保護に向けた活動を行っている。

 

3Mの事業内容

3Mは多彩な業界に向けて商品を販売しています。エレクトロニクスやヘルスケア、自動車や航空機、建築関連、エネルギー産業など、多方面に向けて製品・ソリューションを提供しています。

 

3Mのブランド

3Mが開発・販売しているブランドは多数あります。特定の業界で働く人たちだけが知っているものもあれば、一般消費者にも身近な商品まで様々です。

 

3Mのブランドとその説明

リットマン™

医療用聴診器のこと。音響性能、耐久性に優れ、医療従事者から高く評価されている。

コマンド™

天井や壁に物を掛けるためのフック、テープ等の製品。

スコッチ™

一般にはセロテープとして知られている、接着テープの製品。バリエーションが豊富で、オフィス向けから家庭向けまで幅広く販売されている。

スコッチ・ブライト™

掃除用品のこと。スポンジやクロス、ブラシなど色んな種類の掃除用具が提供されている。

ネクスケア™

一般向けの医療用品。バンドエイドやガーゼなど。

フツロ™

包帯やサポーターといった医療用具のこと。

ポスト・イット®

世界で最も有名なメモ製品。手書きメモを貼り付けることができ、日本の文具店でも簡単に入手ができる。

 

3Mが製造するフッ素系製品について

3Mは高機能材料の開発・製造も行っています。高機能材料として分類されるものに「セラミック」や「グラスバブルズ」「磁性シート」などがあり、ここに「フッ素ポリマー」も並びます。3Mはフッ素ポリマーの開発に数十年携わっており、最先端の製品を提供し続けています。ラインナップも幅広く、コーティングに関するもの、チューブやシートに関するもの、その他顧客の多様なニーズに応えるソリューションが提供されています。

フッ素ポリマーの製品は60を超え、「FEP」「PFA」「PTFE」「PVDF」などの取り扱いがあります。例えば3MPFA製品には「ダイニオン™」というブランドがあります。広い温度領域、機械的強度を持ち、安定的な使用ができるフッ素樹脂で、紫外線安定性もあり、直射日光や雨風にさらされる過酷な環境下でも使用できるという特徴を持っています。

 

  

2025年からフッ素樹脂の取り扱いがなくなる?

2022年12月、3Mから「3M、2025年末までにPFAS製造から撤退」という情報が出されました。 PFASは化学物質の一グループのことです。高い安定性を持つ化学物質であり、耐熱性や耐油性、耐水性などの特徴を持つ反面、生物の体内でも長期間留まることができてしまいます。そのため、生物の健康や環境に悪影響を及ぼすリスクが問題視されており、そういった背景を受け、同社はPFASの製造から撤退するとの意向を示したのです。

フッ素樹脂もPFAS化合物の一部を用いて製造されることがありますので、PFAS製造の撤退はフッ素樹脂関連の事業にも大きな影響を与えると見られています。あらゆるフッ素樹脂がPFASに依存するわけではありませんが、3Mは「すべてのフッ素樹脂、フッ素系液体、PFAS ベースの添加剤製品の製造を中止・・・」と示していますので、今後フッ素樹脂製品の取り扱いがなくなる可能性があります。

  

まとめ

3Mはその多様な製品ラインナップを揃えていること、高い技術力を持つことで世界的に著名なメーカーとなっています。その一部にフッ素樹脂関連の製品もあり、半導体業界、医療業界などでその製品が活用されています。同社は環境問題にも真っ向から取り組み、環境負荷の大きな製造方法を見直す方針を示しています。その結果、今後フッ素樹脂製品の取り扱いがなくなる、あるいは一部製品がなくなるなどの影響が出ることもあるかもしれません。

 

 

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