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半導体製造装置(前工程)の世界トップメーカーを紹介

半導体分野の重要なプレイヤーは、半導体メーカーだけではありません。半導体製造装置のメーカーも非常に大きな役割を果たしています。また、半導体製造装置は日本が強い分野でもありますので、世界で活躍する国内メーカーも多数存在しています。ここでは特に前工程に関する半導体製造装置のトップメーカー、その世界シェアなどを紹介します。

  

半導体製造装置における日本の状況

半導体製造はとても複雑な工程を必要とします。1000を超える工程が発生し、しかも各工程で非常に高い技術力が求められます。そのため半導体を製造するための装置にも高いレベルが求められる上、極めて高度なクリーン度まで必要になります。繊細かつ高度な技術力が必要な半導体製造装置の分野は日本が得意としており、国別で見るとアメリカと並ぶ世界第2位のシェアを誇っています。

 

《 半導体製造装置の国別シェアTOP5 》
  • アメリカ35%
  • 日本31%
  • ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)22%
  • 中国9%
  • 韓国2%

前工程における半導体製造装置のトップメーカー

いくつか、半導体製造装置の種類別に、世界トップで活躍するメーカーを紹介していきます。

 

描画装置

描画装置とは、ウエハ上に回路パターンを描画するための装置で、フォトリソグラフィ装置などがここに該当します。この分野における世界トップメーカーは次の通りです。

  • IMS Nano fabrication
  • ニューフレアテクノロジー(日本)
  • Vistec
  • 日本電子(日本)

※ニューフレアテクノロジー:東芝機械株式会社の一事業を引き継いで立ち上げられた半導体製造装置メーカー。電子ビーム描画装置の取り扱いなどに強みを持つ。→詳しくはこちら https://nihon-polymer.co.jp/2023/10/17/4736/

※日本電子:医用機器や産業機器、理化学・計測機器の事業分野に強みを持つメーカー。産業機器事業のうち、半導体関連機器として電子ビーム描画装置(可変成形電子ビーム描画およびスポットビーム描画)を取り扱っている。

 

露光装置

露光装置はウエハ上に回路パターンを転写するための装置です。同分野のトップメーカーはこちらです。

  • ASML
  • キヤノン(日本)
  • ニコン(日本)

※ニコン:カメラのメーカーとして有名だが、コア技術である高額技術・画像処理・画像解析を活かして半導体製造装置の露光装置にも参入している。→詳しくはこちら https://nihon-polymer.co.jp/2023/06/26/4454/

※キヤノン:総合電機メーカーで、カメラからプリンター、イメージセンサー、そして半導体製造装置など幅広い製品を製造・販売する。露光装置についての取り扱いのほか、半導体製造に関わる多数の製品を開発する。

 

コータ/デベロッパ

コータ/デベロッパは、感光剤であるフォトレジストの塗布および現像を行うための装置です。同分野のトップメーカーはこちらです。

  • 東京エレクトロン(日本)
  • Screen(日本)

※東京エレクトロン:東京都に本社がある国内トップの半導体製造装置メーカー。半導体製造装置としては「コータ/デベロッパ」のほか、「ウェーハプローバ」「成膜装置」「ドライエッチング装置」「洗浄装置」にも強みを持つ。また、FPD(フラットパネルディスプレイを)製造装置のメーカーとしても有名である。→詳しくはこちらhttps://nihon-polymer.co.jp/2023/05/08/4165/

Screen:元は印刷関連機器のメーカーであったが、表面処理技術や画像処理技術の応用により半導体製造装置も取り扱うようになった。その他、液晶製造装置についても取り扱いがある。

 

成膜装置

成膜装置は薄膜を形成するための装置です。CVDやスパッタリングなど、目的に応じて様々な手法がありますので、それぞれに適した成膜装置が存在しています。同分野のトップメーカーはこちらです。

(CVDにおける主なメーカー)

  • AMAT
  • Lam
  • 東京エレクトロン(日本)
  • ASM
  • KOKUSAI ELECTRIC(日本)

(スパッタリングにおける主なメーカー)

  • AMAT
  • アルバック(日本)
  • キヤノンアネルバ(日本)

※アルバック:1950年代から活動を続けるメーカー。デジタル領域に広く精通し、特にスパッタリング成膜装置を得意な領域としている。この技術を活かした新技術の開発、最先端デバイスへの対応が進められている。

  

エッチング装置

エッチング装置は、イオンや薬液、ガスなどを使って、形成されている薄膜の形状を加工するための装置です。同分野のトップメーカーはこちらです。

  • Lam
  • 東京エレクトロン(日本)
  • AMAT
  • 日立ハイテク(日本)

洗浄装置

半導体製造の各工程で発生した微細な不純物、汚染などを取り除くために洗浄が行われます。そのための装置が洗浄装置です。同分野のトップメーカーはこちらです。

  • Screen(日本)
  • SEMES
  • 東京エレクトロン(日本)
  • Lam

イオン注入装置

半導体素子として機能させるには、特定の不純物を意図的に注入する必要があります。その仕事を担うのがイオン注入装置です。同分野のトップメーカーはこちらです。

  • Axcelis
  • AMAT
  • 住友重機械(日本)

まとめ

東京エレクトロン」や「Screen」など、様々な日本メーカーが世界で活躍しています。これは日本の重要な強みですが、半導体製造装置のうち特に市場の大きなものについてはアメリカやオランダが割合多くシェアを持っているのも確かです。今後日本の半導体メーカーが伸びることもそうですが、幅広い装置について日本メーカーが発展していくことも重要といえるでしょう。

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