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スマホの高機能化を支えるSoC!特徴やSiPとの違いを解説

半導体はあらゆる電子機器に使われていますが、スマホやタブレットの半導体チップとしては「SoC」が非常に重要です。

スマホなどの仕様書にはSoCの情報が記載されますし、様々なデバイスの性能を左右する大きな要素でもあります。ここではこんなSoCについて解説し、それ以前の技術からどのような進化をしたのか、また、よく比較されるSiPとの違いについても整理していきます。

 

SoCSystem on a chip)は複数の半導体チップを集積したもの

パソコンが登場した当初のマザーボードには、CPUや機能別に専用のLSIがいくつも載せられていました。制御回路にも汎用ICを複数組み合わせる形で載せられており、マザーボードは大きく、LSIパッケージもずらりと並んでいました。パソコンも進化を続け、後にチップセットと呼ばれるものがでてきます。CPU以外の機能をまとめたものです。1990年代に入ると周辺機器とのやり取りをするサウスブリッジとCPUとのやり取りをするノースブリッジで構成するパターンが増えてきます。

当初独立したLSIの組み合わせで構成されていたものが、2つのチップセットによって機能を統括できるようにしたのです。その後はノースブリッジがCPUにまとめられ、CPUとメインメモリ、サウスブリッジという大きな構成にまとめられました。そして現代においてはさらに、サウスブリッジもCPUにまとめられています。すべてのチップセット機能がCPUとして統合され、メインメモリなどとやり取りをするようになっているのです。これが「SoC」です。

ここまでの流れからもわかるように、1つの半導体チップ上にCPUのほか様々なシステムが集積されています。そのためSystem on a chipを略してSoCと呼ばれるのです。

 

1つのチップに集約するメリット

SoCを実現するには、半導体デバイスの高い製造技術の実現、微細化ができなければなりません。たった1つのチップ上にトランジスタを詰め込まなくてはならないからです。しかしこの数が増えることによって、また、それを1つのチップ上に集約することによって、様々なメリットが生まれます。以下でその内容を見ていきましょう。

 

コストカット

1つは「コストカット」です。使用する半導体チップの数が削減されますので、単純にその分のコストが削減できます。

 

高速化

チップ1つの上でシステムを構築するため、チップを基板上で組み合わせるときのように基盤配線が必要ありません。信号のやり取りをするのに配線分の距離を電子が移動することになりますので、これがなくなる、あるいは移動が少なくて済むことで、動作の高速化が実現されます。

 

消費電力を下げる

こちらもシンプルな効果です。使用する半導体チップが削減されますので、そのチップを駆動させるのに必要な電力をなくすことができます。

 

部品点数の減少

使用する半導体チップの数が少なくなれば、製造に必要な部品の点数が減ります。また、このことは基盤の小型化にも寄与します。素子それぞれの微細化に加え、基盤が小さくなることで、スマホなど完成品となるデバイスのサイズダウンが図れます。

スマホ向けSoCに注目

SoCは、一般に流通しているAppleやAndroidといったスマホに搭載されています。基本的にスマホ向けSoCでは、情報処理の核となるCPUや、グラフィックと担うGPUWi-Fi端末なども内蔵します。これにカメラやディスプレイなどを取り付けていき、スマホが出来上がっていくのです。スマホは世界的にも利用者が急増しており、急速に変化をしている市場であるとともに、SoCベンダーにとって注目すべき重要な市場となっています。

 

SiPSystem in Package)との違い

SiPは「System in Package」の略です。

SoCと比較して、システムをチップ(Chip)上に構成するのかパッケージ(Package)として構成するのか、という違いがあります。

要は、「チップの数が単一なのか、複数なのか」という決定的な違いを持つのです。SiPSoCのように1つのチップで完結するものではありませんが、1つのパッケージ内でこれまでの基板システムを実現します。どちらが優れているのか、どちらを使うべきなのか、という問題に対しては一概に答えることはできません。目的によって使い分けることが大切です。

例えば価格はチップ数の少ないSoCの方が安いですが、開発にかかるコストはSoCの方が大きいです。SiPの方が短期間で設計できますし、開発費は少なくて済みます。なぜならSiP1つのパッケージ内における基板設計が中心になってきますが、SoCの場合にはICチップの設計から始めなければならないからです。そこで、その後大量に作ることになるのであればSoCを高コストで開発して安く製造するのが有効ですし、数がそこまで必要ないのならSiPを低コストで開発して製造したほうが良いということになります。

 

まとめ

SoCはこれまでの集積化やデバイスの小型化の流れをさらに推し進めたチップであり、サイズの小ささが重視されるスマホなどで重宝されています。複数チップからなるSiPと異なり開発に期間とコストを要しますが、チップ数が減ることから製造コストを下げられ、消費電力の低下、高速処理なども実現することができます。

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