半導体を使った家電にはどんなものがある?製品例や半導体の役割を解説
半導体は私たちの生活と密接にかかわっています。特別な機器に限らず、家電などにも多く使用されているからです。とはいえ半導体がどのように役立っているのか、どのように貢献しているのか、よく分かっていない方も多いかと存じます。そこで本記事では特に発展のめざましい分野に着目し、そこで半導体がどのように役立っているのか解説していきます。
半導体に関する市場の現状
あらゆるデジタル機器に半導体が使われているといっても過言ではありません。そしてその中でもパソコンやスマートフォンは一時期から急成長を起こし、代表的なデジタル機器といえる存在にもなっています。大きな市場ですし、需要も大きいですが、近年は成長速度も緩やかになり、成熟しつつあると評価されています。
これに対し成長してきたのが家電市場です。テレビやデジタルカメラ、キッチン家電など、非常に多様な製品群が含まれます。その中でも特に大きな役割を果たしている分野が映像関連、そしてスマート家電です。
AV機器
AV機器は今でも進化を続けており、優れた音響機器、映像機器が登場していますし、「4K」や「8K」のテレビも登場しました。これにより従来の数倍の画素数を実現し、大画面表示にも耐えられます。
そしてこれらのことに伴い、大容量の記録ができるディスクも必要になってきます。それまでDVDが主流とされていましたが、画質や録画時間などの問題からBDへの移行が始まりました。そして映像の録画や再生においては半導体レーザーが欠かせません。特にBDの技術を実現するうえでは青紫色のレーザーが必要です。従来の赤色半導体レーザーより焦点を小さくすることができ、その結果、より大きな容量の記録ができるようになっています。
また音響関連では、デジタル信号に特化したDSPという半導体が大きな役割を担っています。これは通信機器・ネットワーク機器でも使われるほか、画像処理および音声処理などでも使われています。高音質を実現するためにも重要であるため、音楽プレーヤーの発展にも寄与しています。
デジタルカメラ
家電市場の中でも、デジタルカメラは性能の伸びが著しいです。画素数が直接的にその性能に影響するため、いかに画素数を増やすかが重要といえます。
デジタルカメラが流通し始めた1990年頃では、画素数は数十万程度でした。しかし2000年頃には200~400万画素ほどに増え、2010年頃には1000万画素を超え、2020年を過ぎると2000万画素を超えるものも出てきています。
そしてデジタルカメラではCCDやCMOSという半導体が用いられており、その数が画質を左右しています。そのためデジタルカメラ発展の裏にも半導体が関係しているのです。
ゲーム機
ゲーム機も進化しており、特に高画質化、動きのなめらかさが年々向上しています。十年前のゲームを振り返るだけでもその進化の程度がはっきりと分かります。
ゲームが一般家庭に流通し始めた当初は2次元でのシンプルな画面構成でしたが、2次元から3次元へと拡張され、より複雑な処理も求められるようになっています。このように、特にゲームの場合には高画質であることのみならず、高度な処理を高速で行うことも求められますので、半導体の性能が大きく影響します。
処理速度が遅いとユーザーの操作内容を瞬時に反映させられませんし、ストレスを感じさせてしまいます。これを改良するためには半導体チップの高性能化、集積度のアップが不可欠で、現代のゲーム技術が実現できているのも半導体の発展が前提であるといえるでしょう。そして大きな役割を果たしているのがシステムLSIです。複数のLSIチップが集積されており、この内部には画像処理などに有効なメモリ、その他最先端の半導体素子が組み込まれています。
スマート家電
ここ最近で伸び始めた分野として「スマート家電」があります。家電に通信技術を搭載させたもので、家電がネットワークに接続、スマートフォンなどと連携、遠隔操作などを実現します。
また、単にどこからでも操作ができるようになるだけでなく、家電をセンサーとして機能させることで種々の情報収集にも役立ちます。例えば家電の稼働状況をリアルタイムで把握、電力メーターと連携することで最適な状態へ自動コントロールを行うことも可能になります。
炊飯器をスマート家電化して自分に合った炊き方を自動でできるようにしたり、健康機器と連携して自身の体調管理を自動で行ったり、といったことも可能です。
まとめ
半導体の発展に伴い伸びてきた分野やモノのうち代表的な例をここで紹介しましたが、今後も進化が続けばすぐに別の新たな技術が出てくることでしょう。技術的な課題が解決されるようになればこれまで実現できなかった製品が登場したり、スマート家電がより普及したり、私たちの生活にも直接影響が及びます。そのため半導体はデジタル社会における基盤の構成要素といえるでしょう。
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