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POPs条約とは?半導体製造にも環境への配慮が求められる

今、環境への配慮は世界的に重視されています。その潮流は半導体産業にも影響を与え、1つはPOPs条約(ストックホルム条約)にも表れています。ここではこのPOPs条約について簡単に説明し、同条約やこれと関連が強い化審法の内容にも触れ、これらの法令により半導体産業にはどのような規制が入るのかを解説していきます。特に半導体製造の業界で重要な規制です。

 

 POPs条約(ストックホルム条約)の概要

POPs条約は、残留性有機汚染物質の扱いに関して世界的なルールを定めたものです。POPs:Persistent Organic Pollutants

原則、どの国で事業を行っていても、どの国を対象に事業を行っている場合でも適用されます。例えば、一度発生すると残留しやすく生物蓄積性や人や生物に対する毒性が高い、ポリ塩化ビフェニル、DDTなどの製造や使用の廃絶・制限について規定しています。

 

各国の規制法令

POPs条約を締結する加盟国は、条約で定めた内容を担保するため、それぞれの国内法にて具体的な規制をしています。国境を跨いで適用される条約だけで各国の事情にまで適合した細かなルールを定めるのは現実的ではないためです。

以下がその法令の例です。

  • 日本:化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)
  • 韓国:残留性汚染物質管理法
  • 台湾:毒性および懸念化学物質管理法
  • シンガポール:環境保護と管理法
  • EU:POPs規則

 

化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)とは

日本で定められている化審法について少し紹介しておきましょう。正式名称は「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」。人体や動植物に害ある化学物質により、環境が汚染されるのを防ぐために制定された法律です。

同法では主に、「化学物質の性質に合わせた規制」「化学物質の継続的管理措置」「新規化学物質に対する審査」を規定しています。具体的には、分解性・蓄積性・毒性・残留性などを考慮して当該化学物質を分類し、製造や輸入数の把握、使用を制限。また、新たに製造または輸入される化学物質については事前審査を行います。

 

同法のこうした規定により、POPs条約の内容実現を図っています。

 

近年追加された制限物質

POPs条約で規制対象となる物質は、残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC)での議論を経て、締約国会議(COP)にて決定がなされます。

近年追加された制限物質としては、「ジコホル」「PFOA(ペルフルオロオクタン酸)」があります。2019年、第9回締約国会議により、廃絶を目指す物質として新たに定められたのです。そのため今後日本としても国際的協調をしつつ、これらの物質について廃絶に向けた取り組みを進めていくことになります。

 

PFOA(ペルフルオロオクタン酸)とは

PFOA(ペルフルオロオクタン酸)やその関連物質が指定されましたが、これは主にフッ素ポリマー加工助剤や界面活性剤などとして使われている物質です。

他にも、親水性かつ親油性を持つことから撥水剤や撥油剤、塗料、フォトレジストなどに幅広く活用されています。調理器具の焦げ付きを防止する表面処理剤や衣類の撥水剤など、身近なところでも使われている物質なのです。ちなみに、PFOAと並んで指定された「ジコホル」は殺虫剤などに使われている物質です。

  

PFOAが制限されることと半導体産業への影響

PFOAは半導体産業でも使われています。フォトリソグラフィなど、プロセスにおける意図的な構成成分であるとともに、特定部品内に残留物質として意図せず存在するケースもある物質です。そのためPOPs条約は特に半導体製造の業界に影響を与えます。

ただ、POPs条約で明確に指定をされる前から、ここ10年ほどでPFOAの除去は進んできていましたので、劇的な変化が生まれるわけではありません。逆に言うと、除去が十分にできておらず、製造工程で接触する部品内において高水準のPFOAが存在するというケースでは代替措置を検討しなくてはなりません。また、自社内での除去が十分であっても、サプライヤも含めたPFOAの非含有が確認できなければ顧客への対応が難しくなることも考えられます。

例えば顧客がある製品につきPFOAの非含有の証明を求めてきた場合、可能な限りサプライヤによる調達材料から遡って調査をすることが望ましいでしょう。ただ、一部の用途に関しては除外する規定として「半導体製造におけるフォトリソグラフィ、エッチングプロセス」も含まれています。よって、現状、完全な廃絶をすることは難しいです。しばらくはPFOAが流通することになりますので、コンタミのリスクはどうしても残ってしまいます。

 

まとめ

POPs条約では残留性有機汚染物質に対し規制を課しており、近年は「PFOA(ペルフルオロオクタン酸)」も指定されています。この物質は半導体産業でも使われているものですし、特に半導体製造に対する影響が大きいです。すでに除去の流れは進んでいましたが、近く、フォトリソグラフィやエッチングプロセスにおいても適用除外の効力が切れるため、業界全体で対応していくことが必要になってくるでしょう。

有害物質の取扱いがあるのであれば、今後もPOPs条約および化審法の動向をチェックしていくと良いでしょう。

 

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