半導体が発展してきた歴史を簡単に解説!現状や今後の展望についても
半導体は様々な電子機器に組み込まれ、もはやこれをなくして生活をすることはできなくなっています。しかしここまで当たり前の存在になったのも実は最近のことです。ここ数十年で大きな変貌を遂げており、今後も半導体は進化を続けていくとみられています。
本記事ではこの半導体についてより理解できるよう、発展の歴史や今後の展望に関して言及していきます。
半導体の歴史
まずは半導体がどのように進化してきたのか解説していきます。大きな流れとしては、1950年頃に半導体素子の発明があり、1970年頃にはICの登場により実用化が加速、それ以降は小型化軽量化が進みコンピュータなどさらに応用の幅が広がって現在に至ります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◆トランジスタの発明
半導体素子が発明されたのは1940年代後半です。それ以前は真空管が広く使われていました。しかし真空管ではサイズも消費電力も大きく、発熱が膨大で、壊れやすいという問題を抱えていました。そこで発明されたのがトランジスタです。これは半導体素子の一つで、電子回路において非常に大きな役割を果たす素子です。
1947年にベル研究所(アメリカ)にて物理学者のジョン・バーディーンとウォルター・ブラッテンがトランジスタによる信号の増幅実験に成功。さらに1948年にはウィリアム・ショックレーが、より安定的に利用できるタイプのトランジスタを発明したことで、半導体ビジネスが始まることになります。
真空管を使ったのでは実現できなかった製品開発も進み、1950年代には日本においてもトランジスタラジオが開発されています。
◆集積回路の登場
半導体素子が登場したことにより、デジタル機器関連の産業が急速に伸びていくことになります。これを後押しする形で登場したのがICです。ICは集積回路のことで、簡単に説明すると、1枚の基板上にトランジスタやコンデンサといった素子を集結させた小型の回路のことです。電子機器の小型化に成功するとともに、大量生産を実現するためにも役立ちます。
ICは1950年代後半に発明され、これを受けて1960年代には電卓も登場しました。その後日本でも多くのメーカーが電卓を商品化し、1970年代には広く流通するようになっています。
◆社会に浸透し始める
開発された当初のICからさらに集積度が向上し、高機能化・多機能化が進みます。応用分野は多岐に渡り、社会の色んなところで半導体が利用されるようになり、人々の生活を支える存在へと変わっていきます。特に、より高い情報処理能力を有するマイクロプロセッサが登場したことでコンピュータの進化が加速したことは大きな意味を持ちます。1980年代以降、パソコンやワープロ、ファクシミリ、ビデオゲームなど新しい半導体応用機器も続々に出てきます。
半導体利用の現状
以上のように半導体利用の幅は広がってきました。現在ではパソコンやスマホといった高機能な電子機器も誰もが利用するようになっています。当然、これらには半導体が搭載されており、これをなくしては今の生活を維持することは不可能です。
他にも家電製品など、非常に幅広い機器に搭載されているため、あらゆるものに半導体が活用されているといっても過言ではありません。近年ではIT産業の発展が注目を集めるようになっていますが、この基礎にあるのはコンピュータによる制御であり、やはり半導体の存在は欠かせません。
半導体利用の展望
極端紫外線を使った半導体製造技術の実用化など、技術レベルの向上によってこれからも半導体素子の微細化は進むと見られています。また近年ではIoTや自動運転・電気自動車などの分野も注目を集めており、今後伸びていくといわれています。
IoTはあらゆる物をインターネットに接続して、収集された情報を分析、高度なデータ利活用を目指すというものです。そしてこれを実現しようとすると、センシングや通信の機能を備えさせなければならず、半導体を使ったデバイスも当然必要になってきます。
また自動運転や電気自動車においても、従来の一般的な自動車に比べて高い情報処理能力が求められ、半導体需要が高まると予想されています。例えば電気自動車では一般車と比べて倍近い半導体を要するといわれていますし、自動運転においては10倍近くの半導体が必要になるといわれています。もちろん、自動運転のレベルにもよりますが、当該機能をまったく有していないタイプと比較すると大きな差が生じるのです。
このように半導体利用は今後も続き、分野によってはその需要が増えるともみられています。
まとめ
半導体の発展と現状、今後の展望について簡単に紹介してきました。半導体関連の技術向上は、現代における多様な技術水準向上を支えてきた大きな要因です。今後もさらに高度化は進み、活用の幅は広がっていくことでしょう。
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