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アドバンテストとは?日本の半導体検査装置大手メーカーを紹介

半導体業界には、半導体デバイスを作るメーカーだけでなく、半導体デバイスの検査装置など、関連装置を開発・製造するメーカーも欠かせません。この半導体製造の分野、とりわけ検査装置において強い立場を築いているのが「株式会社アドバンテスト」(以下、アドバンテスト)です。アドバンテストがどのようなメーカーなのか、どのような製品を取り扱っており、どのような強みを持っているのか、この記事で簡単に解説していきます。

 

アドバンテストとは

「株式会社アドバンテスト(Advantest Corporation)」は、半導体デバイスの測定器等を主に取り扱う半導体製造装置メーカーです。

 

アドバンテスト基本情報

商号

株式会社アドバンテスト

設立時期

1954年12月

代表者

代表取締役・執行役員社長 吉田芳明

主要事業

・半導体テストシステム事業

・メカトロニクス関連事業

資本金

323億6,300万円

従業員数は国内だけで3,000人近くおり、世界中、臨時従業員もすべて含めると6,500人ほどに達します。

 

日本の大手半導体検査装置メーカーの1

売上高ベースで評価した半導体製造装置メーカーのトップは「アプライド・マテリアルズ」です。これに並び、日本企業の「東京エレクトロン」もトップ層に位置しています。そして日本企業の中で東京エレクトロンに次いで大きな売上高を記録しているのがアドバンテストです。かつて同社が掲げていた2018年~2020年度の経営目標(※ベースシナリオ)は「売上高2,500億円」「営業利益率17%」「1株あたりの当期利益170円」であったのですが、次の通り好実績を残すことに成功しています。

  • 売上高:2,500億円 → 2,904億円
  • 営業利益率:17% → 22%
  • 1株あたりの当期利益:170円 → 309円

 

デジタル技術の進展を受けて半導体市場・半導体テスタ市場が拡大。その結果、想定以上に早くシェアが拡大できたとの評価を下しています。

 

アドバンテストの主な製品ジャンル

アドバンテストの売上高の多くを占めているのが「半導体・部品テストシステム事業」ですその他、テストシステムの周辺機器に関する「メカトロニクス関連事業」、顧客サポートなどのサービスもあります。これらを以下で簡単に説明していきます。

半導体・部品テストシステム

アドバンテストの半導体・部品テストシステムのうち特に注目されているのは次の2点です。

  • SoC半導体用のテストシステム
    V93000:SoCテスタ
    T2000:SoCテスタ
    T6391:ディスプレイ・ドライバIC向け

  • メモリ半導体用のテストシステム
    T5833:DRAM・NAND向け
    T5503HS2:高速DRAMパッケージテスト向け 

SoCテストシステムは、ロジック半導体やアナログ半導体など、メモリ半導体以外のデバイスにつき網羅的にテストすることが可能です。アドバンテストのテスタは試験範囲や試験能力の拡張性に優れていますし、低コストのIoTデバイスからハイエンドのデバイスにまで対応することができます。そのためファブレス、ファウンドリ問わず幅広い顧客を獲得するに至っています。

 

メカトロニクス

メカトロニクス関連の事業では、テストシステムの周辺機器である「ハンドラ」と「インターフェイス」、そして前工程で用いられるナノテクノロジー製品から構成されています。同社の製品により、サイズが異なる多品種が生産ラインにあるときでも、短時間でのデバイスの切り替えが実現されます。

なおハンドラとは、半導体プロセスの後工程において、①半導体パッケージをテストシステムに搬送する作業、②温度を印加する作業、③テスト結果に従い半導体を仕分ける作業、のすべてを一台で対応する装置のことです。ナノテクノロジー製品としては走査型電子顕微鏡が挙げられます。半導体プロセスの前工程において、フォトマスクやウエハに描画された回路の幅・高さ等を計測できる製品です。今後EUVリソグラフィーが普及することに伴いニーズが増すと期待されています。

 

アドバンテストの強み

製品の品質の高さ・開発力の高さを備えていることはもちろん、アドバンテストの特色ある強みとしては「パートナーシップ」「グローバルサポート能力」が挙げられます。パートナーシップに関しては、ファブレス、ファウンドリ、OSATなど、多様な業態の半導体メーカーや大学、研究開発機関などとも強固なパートナーシップを築いてきたという実績を持ちます。先進的なデバイスを取り扱う半導体メーカーの多くと取引関係を持っていますし、中国や台湾、韓国など今後の市場拡大が予想されるアジア企業とも関係性を構築しています。

また、世界各地に拠点を設けていることにより、グローバルに半導体サプライチェーンへのサポートが可能となっています。アドバンテストのサポートは海外でも高く評価されており、「顧客満足度がとても高いサプライヤー」と認識されているメーカーでもあります。

 

まとめ

アドバンテストは2023年現在好調です。かつて、2027年度までの目標として「売上高3,000~4,000億円の達成」を掲げていたのですが、2021年度時点でこれを早期達成しています。今後も半導体市場の長期成長を見込んで、DXや設備、人材への投資、パワー半導体などの新たな市場の需要の取り込みなどを目指すとの方針を明らかにしています。戦略が上手く実を結べばさらなる発展をしていくことでしょう。

 

 

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