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フッ素樹脂としてのダイキン工業について|世界で活躍する日本の化学製品メーカーを紹介

家庭用のエアコン、産業用の空調などで有名な「ダイキン工業」。同社はフッ素樹脂メーカーとしても実は有名です。当記事ではダイキン工業がどのようなメーカーなのか、また、フッ素樹脂に関してどのような事業を展開しているのかを解説します。

 

ダイキン工業とは

「ダイキン工業株式会社(Daikin Industries, Ltd.)」は、100年近くの歴史を持つ日本の化学製品メーカーです。空調機器、冷凍機器、精密機器、そしてフッ素樹脂などの化学製品も製造・販売しています。大阪に本社を置きますが、世界170ヶ国に対して事業を展開しており、グローバルにも活動をしています。

 

ダイキン工業の特徴
  • ダイキン工業の特徴を簡単に整理します。
  • 空調分野で世界トップクラスのシェアを持つ
  • フッ素樹脂の分野でも世界トップクラスのシェアを持つ
  • グローバル展開に積極的
  • 研究開発に注力して技術革新を目指している
  • 環境にも配慮した製品・サービスを提供している

ダイキン工業は空調機器やフッ素樹脂などの分野で世界をリードするメーカーであるとともに、環境への配慮を強く意識しているメーカーでもあります。今後、持続可能性に貢献する製品等を世界に向けて発信していくことでしょう。

 

ダイキン工業の主な事業内容

「ダイキン」と聞くと、世間的にはエアコンなど空調製品をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかしフッ素樹脂もそうですし、ITソリューションの提供など、同社は幅広く事業を展開しています。ダイキン工業の柱となる事業は次の3つです。

 

  • 空調事業
    エアコンなどの家電製品、産業用空調機器、空調システムなどの製造・販売。
  • フィルタ事業
    空気清浄機用のフィルタ、産業用のフィルタ、車載用のフィルタなどの製造・販売。
  • 化学事業
    冷媒、化学薬品などの製造・販売。

 

空調事業

ダイキン工業は、空調事業として、空調機器の製造や販売、保守・メンテナンスを行っています。高い技術料、生産力を持ち、世界各国にネットワークを構築していることで各地の顧客ニーズにも迅速に対応することができます。同社は空調に関して世界最大クラスのメーカーで、大きな市場シェアを保有しています。また、同社にとっても空調事業は一番の柱であり、企業全体での売上の過半数を占めています。

 

フィルタ事業

フィルタ事業では、空気清浄機やエアコン、換気扇等の機器に使用されるフィルタの製造や販売を行っています。空調事業同様、大きな市場シェアを保有しています。特に、「集塵性能」「寿命」「静音性」「省エネ性」「環境性能」などの面で高く評価されています。

 

化学事業

化学事業として、フッ素化学製品の製造や販売を行っています。空調やフィルタ事業ほどではありませんが、化学事業も世界に向けて展開しており、各地に生産拠点を持っています。ダイキン工業は、化学事業に関して高い技術力を持つことはもちろん、グローバルな事業展開をしてきたことによる強力なパートナーシップがあることも強みとしています。

 

ダイキン工業はフッ素樹脂の製造・販売も行う

フッ素樹脂事業もダイキン工業の重要な事業の1つです。フッ素樹脂の製造・加工・販売までを一貫して行っており、世界でも有力なフッ素樹脂メーカーとして位置づけられています。

 

2つのフッ素樹脂製品シリーズ

フッ素樹脂には優れた耐熱性や耐化学性、耐候性などがあります。他のポリマーと比べても電気特性に優れ、様々な用途で利用されています。厳しい環境で使用されることも多いですし、ダイキン工業は、多様なニーズに応えられるよう多様なフッ素樹脂製品を開発しています。同社の製品は、大きく2つのシリーズに分けることができます。

  • ポリフロンシリーズ(高性能なPTFE製品)
  • ネオフロンシリーズ(溶融成形が可能なPFA、FEP、ETFE、PCTFE製品)

 

各シリーズにグレードがありますので、以下で簡単に特徴を紹介します。

 

ポリフロンのグレード

特徴

Mシリーズ

ニーズの多い、代表的なフッ素樹脂製品。シール材や絶縁性スリーブ、オイルレスベアリング、離型シート、スライディングパッドなどに使用される。

Fシリーズ

せん断応力(すべらせるように作用する応力)を加えて繊維化しやすい。電線やシールテープ、繊維、エアフィルタなどに使用される。

Dシリーズ

水分散液(ディスパージョン)。ガラスクロス含浸や高周波対応プリント基板、非粘着塗料などとして使用される。

コンパウンドシリーズ

PTFEにフィラー(充墳材)を配合して機械的性質を改良したもの。パッキンやガスケット、バルブシート、ピストンリング、シールリングなどに使用される。

 

ネオフロンのグレード

特徴

PFA APシリーズ

PTFEと同等の性能を持ち、半導体用チューブや電線・ケーブルの被覆などに使用される。

FEP NPシリーズ

PTFE、PFAに近い性能を持ち、電線被覆やチューブ、フィルムなどに使用される。

ETFE EPシリーズ

成形加工性、透明性に優れ、電線・ケーブルの被覆、離型フィルムなどに使用される。

EFEP RPシリーズ

汎用樹脂と溶融接着ができ、薬液チューブや自動車燃料ラインなどに使用される。

CPT LPシリーズ

耐薬液透過性に優れ、自動車燃料ライン、薬液やインクのチューブなどで使用される。

PCTFE Mシリーズ

ガスの低透過性に優れ、薬液チューブやシール材、ポンプ部品などに使用される。

 

まとめ

ダイキン工業のフッ素樹脂は幅広いニーズに応え、幅広い産業で利用されています。また、持続可能な製品やサービスの開発にも前向きで、同社の活動は産業界において重要な役割を果たしています

 

 

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