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NANDメモリの市場と国内外の主要メーカーについて

スマホやパソコン、様々な電子機器に囲まれて私たちは生活をしています。これら機器は複雑な演算処理を内部で行い、また、様々なデータを保持する機能も持っています。身近なデバイスの中に記憶媒体は組み込まれており、具体的な名称を聞くことはなくても日々NANDメモリを使いながら生きているのです。

そのためNANDメモリは社会生活にとって重要なものであり、経済的にも存在感の大きなものといえます。間接的にはNANDメモリを取り扱うメーカーも社会に影響を与えているといえるでしょう。具体的にどのようなメーカーが世界で活躍しているのか、ここで紹介をしていきます。

NANDメモリとは何か

メモリには多数の種類があります。広義にあたる半導体メモリ自体は「データを記憶する装置」と説明することができ、その中に電源の供給なく記憶が保持される不揮発性のメモリと電源が供給されないと記憶が保持されない揮発性のメモリがあります。不揮発性のメモリはデータの読み書きが比較的遅いものの、安価でデータの永続性に優れているためストレージ用の記憶媒体(SSDSDカード、microSDなど)としてよく使われます。

NANDメモリもこの不揮発性のメモリの1種であり、「NAND型フラッシュメモリ」とも呼ばれます。※「NAND」は論理演算におけるNot ANDの意。01の論理演算において反転での出力をするタイプがNAND型。NANDメモリの特徴としては、他のメモリに比べて小型で安価、軽量、衝撃にも比較的強いという点が挙げられます。同じ不揮発性メモリにNOR型もありますが、NOR型よりNAND型の方が安価に大容量化できるといわれています。

NAND市場の現状と主要プレイヤー

NANDメモリの市場は世界で600億ドルを超えており、パワー半導体やマイコン、イメージセンサーの市場を大きく上回る市場を持っています。しかもNANDメモリに対する需要は今後も高まると見られています。やはり昨今注目をよく集めているIoTAI5Gの分野との関りの強さが影響していると考えられています。そして同市場における主要プレイヤーは「サムスン」「キオクシア」「ウエスタンデジタル」「SKハイニックス」「マイクロン・テクノロジー」です。サムスンとSKハイニックスは韓国の企業であるため、メモリの分野においては韓国が強いということができるでしょう。

特にサムスンはトップに位置する大きな存在ですが、日本のキオクシアとアメリカのウエスタンデジタルも連携の体制に入っており、両者が統合すれば全体としてはNANDメモリ市場のトップはキオクシアとウエスタンデジタルになるとも考えられます。以下で、同市場の主要プレイヤーを簡単に紹介していきます。

サムスンについて

「サムスン」はグループ会社です。電子電機事業を取り扱う「サムスン電子」を筆頭に、「サムスン電機」や「サムスン重工業」、「サムスン生命」、「サムスンエンジニアリング」など、様々な企業が同グループを構成しています。世界的にも大きなグループであり、韓国GDP20%以上がサムスングループによるものであるといわれています。メモリ以外の分野でも強く、サムスン電子は半導体メーカーとしてトップクラスに位置しています。世界的にも、半導体デバイスや液晶パネルにおいてTSMCに並ぶ強大なメーカーと認識されています。

キオクシアについて

「キオクシア」は日本の企業です。2019年に東芝から独立してできたという経緯を持つ、比較的新しいメーカーです。メモリやその関連製品の開発・製造等に特化したメーカーであり、世界でも有数の生産規模と技術力を持っています。これを支えているのが四日市工場と北上工場です。特にAIを駆使したスマートファクトリーである四日市工場はフラッシュメモリ工場として世界最大級を誇ります。

ウエスタンデジタルについて

ウエスタンデジタルはアメリカの企業です。NANDメモリ、そして大規模なデータセンターなどで使われるハードディスクドライブ(HDD)の製造に強みを持つメーカーとして知られています。この双方を生産するメーカーは唯一であり、多方面からデータストレージ技術に関わりを持っています。

SKハイニックスについて

SKハイニックスは韓国の企業であり、SKグループを構成する一企業でもあります。サムスンと同じく韓国であり、サムスンとはライバル関係にあるということができるでしょう。韓国で圧倒的なポジションにあるサムスンを超えるため、研究開発に力を入れるとともに、事業買収などにも積極的な姿勢を持っています。

近年の動向でいうと、「龍仁(ヨンイン)半導体クラスター」と呼ばれる、大規模な新工場の建設予定が注目されています。多額の投資を行うことにより建設され、2027年の稼働が予定されています。この工場が稼働し始めることでSKハイニックスの成長に拍車がかかるかもしれませんし、NANDメモリ市場における韓国の存在感もより強まるかもしれません。

マイクロン・テクノロジーについて

マイクロン・テクノロジー」はアメリカの企業です。1978年に設立されており、当初アメリカで唯一のメモリメーカーとして先進的半導体製品を製造してきたという歴史を持っています。現在においてもNANDメモリで世界トップクラスのポジションにあり、革新的なメモリソリューションの提供、そして業界内でも比較的幅広いメモリ製品を提供しています。

まとめ

NANDメモリは身近なデバイスで機能する記憶媒体であり、そのニーズが絶える見通しは今のところなく、しばらく需要が増し続けると考えられています。サムスンやSKハイニックスなどの韓国企業、キオクシアとウエスタンデジタルの連携には要注目ですし、今後その他の企業が大きく成長してくる可能性も考えられます。


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