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フッ素樹脂を取り扱うメーカー「AGC」について|主な事業内容、フッ素樹脂製品のことなど

世界的な素材メーカーであるAGC株式会社。一般には「ガラス製品を取り扱っているメーカー」という認識が強く持たれていますが、ガラス事業が業界トップクラスであることはもちろん、その他関連事業についても世界をリードしています。そもそもガラスを製造するには化学的な技術力が不可欠で、この点、フッ素樹脂の製造にも同じことがいえます。そこで当記事ではAGC株式会社について言及し、同社のフッ素樹脂製品についても紹介していきます。

 

AGCの概要

AGC株式会社は、ガラスメーカーとして世界最大級の企業です。ガラスや電子デバイス、化学品、セラミックスなどの製造販売も行う日本の総合素材メーカーであり、世界各地に事業拠点を設けています。連結売上高は2兆円超、連結子会社を多数持ち、全体の従業員数も5万人を超える大企業です。

AGCは、特に以下の点で強みがあるといえます。

  • ガラス製品のシェアが世界トップクラス
  • 自動車用ガラス、液晶ディスプレイ用偏光板などの製品で世界1位のシェアを持つ
  • 200以上のグループ企業を持ち、グローバルに事業を展開している
  • 新たなことにも取り組む、挑戦的な姿勢を持つ

 

AGCの主な事業内容

AGCは多様な事業を展開しています。大別しても以下の6事業を挙げることができます。

  1. ガラス事業
  2. 電子部材事業
  3. 化学品事業
  4. オートモティブ事業
  5. ライフサイエンス事業
  6. セラミック事業


特にAGCの柱となっている事業は「ガラス事業」「電子部材事業」「化学品事業」です。それぞれ簡単に事業内容を説明します。 

ガラス事業

ガラスにも色んな種類があります。用途によって求められるガラスの性能も異なりますし、製造方法、必要な技術力も異なります。AGCは幅広くガラスの製造を行っていますが、特に以下のガラスに強みを持ちます。

 

  • 建築用ガラス
    住宅等に使われるガラス製品の製造。窓ガラス、外壁用ガラスなど。断熱性や耐震性を備える特殊なガラス製品も取り扱う。
  • 自動車用ガラス
    フロントガラスやサイドガラス、リアガラスなど。人の視野に直接情報を映し出す「HUD(ヘッドアップディスプレイ)」などの高機能ガラスも取り扱う。
  • ディスプレイ用ガラス
    スマホやパソコン、テレビなどのディスプレイに使われるガラスの製造。


自動車用ガラスやディスプレイ用ガラスは世界中から高く評価されており、業界トップのシェアを持っています。
 

電子部材事業

合成石英、SiC治具、CMPスラリー、カメラ用赤外線吸収ガラスフィルターなど、様々な電子部材を提供しています。スマホやデジカメなどの日常生活に密接に関わるものから、半導体プロセスで使用される部材まで取り扱いがあり、様々な面で社会に貢献しているといえます。 

化学品事業

AGCは、基礎化学品からフッ素系の高機能化学品に至るまで、化学品についても幅広く製造・販売をしています。化学品事業はさらに「エッセンシャルケミカルズ事業」「パフォーマンスケミカルズ事業」に分類されています。

  • エッセンシャルケミカルズ事業

苛性ソーダ、塩化ビニル樹脂など、多様な産業で不可欠とされる製品を安定的に供給。快適な生活を実現するために必要なウレタン関連の製品も取り扱う。

  • パフォーマンスケミカルズ事業

耐熱性や耐薬品性、耐候性など、高機能な化学品を取り扱う。フッ素樹脂フィルム、フッ素ゴム、塗料用のフッ素樹脂、フッ素系ガスや溶剤なども同事業に属する。 

 

AGCのフッ素樹脂製品について

AGCの化学品事業の中には、さらに「フッ素化学品事業」があります。多様なフッ素製品の取り扱いがあり、以下でフッ素樹脂関連の製品を一部紹介します。
 

AGCのフッ素樹脂製品の例

ルミフロン®
(溶剤可溶型フッ素樹脂)

AGCが世界で初めて商品化に成功した溶剤可溶型のフッ素樹脂。防食・建築用などの塗料、コーティング剤として各種の基材を保護する。

フルオン®
(高機能フッ素樹脂)

フルオンシリーズにはさらに「ETFE」「PTFE」「PFA」があり、多様なニーズに応えることができる。

Fluon+™
(フッ素樹脂複合型ソリューション)

Fluon+™はAGCのフッ素樹脂に独自技術をさらに掛け合わせることでできた製品群のこと。フッ素樹脂が持つ機能にさらに付加価値を加えられている。接着性を付与したり、耐クリープ性や耐摩耗性を向上させたり、用途に応じた様々な機能性を備えた製品がある。

アフレックス®
(フッ素樹脂フィルム)

耐候性・光透過性・耐熱性・耐薬品性・非粘着性・柔軟性などに優れたフッ素樹脂フィルム。各種優れた特徴を持つことで、エレクトロニクスから航空宇宙の分野にまで幅広く利用することが可能。

サイトップ™
(アモルファスフッ素)

非晶質(アモルファス)であることからとても高い透明性を持つ。また、フッ素系溶媒に溶解することから薄膜コーティングを行うことも可能。透明性のほか、絶縁性・撥水撥油性・耐薬品性などの性質を同時に持つ点に特徴がある。

 

まとめ

AGCはガラス事業で特に有名ですが、電子や化学品、その他にも広範な事業領域を持ち、各分野で実績を上げているメーカーでもあります。高品質な製品、リューションを多様な産業に提供することで社会全体にも貢献しています。AGCの一事業としてフッ素樹脂製品の取り扱いもされており、医療・エレクトロニクス・宇宙航空、そして私たちの日常生活にも同社の製品は活用されています。



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