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フッ素樹脂の優れた特徴・性質について!注意すべき弱点についても解説

フッ素樹脂には優れた性質がいくつか備わっています。ただ、あらゆる面で優れているわけではありませんし、弱点についても理解した上で、シチュエーションに適した使用をすることが大事です。そこでこの記事ではフッ素樹脂の優れているところや、弱点について説明をしていきます。

 

フッ素樹脂の優れた特徴

フッ素樹脂は、以下のように優れた特性を持っています。

 

表面が滑らか

フッ素樹脂はとても滑らかです。表面の吸着力も弱く、フッ素樹脂表面に油や水が付着してもすぐに落とすことができ、汚れへの強さが利点であると評価できます。そのため洗浄が容易できれいな状態を維持しやすく、また、直接人体に触れる用途としても活用しやすいです。実際、医療器具などでも使用されています。

 

熱に強い

フッ素樹脂は熱にも強いです。高い耐熱性を持ち、よほどの高温下に置かれなければ分解・燃焼はしません。また、温度が上がっても形状が変化しにくく、直射日光を浴びる環境での使用にも強いです。

その他具体的な使用場面としては、後述の電気機器への使用、石油化学工業などにおけるパイプライン(液体を移送するための大型パイプシステム)への内部被覆としての使用、加熱する機会の多い食器・調理器具等への使用、などが挙げられます。

 

化学的に安定している

フッ素樹脂は化学的に安定しています。薬剤にさらされたとしてもその影響を受けにくく、劣化や損壊などが起こりにくいという意味です。この性質を持つことから、医療や化学工業の分野などでも幅広く使用されています。

 

電気を通しにくい

フッ素樹脂は電気を通しにくいです。この性質は「絶縁性」とも表現されます。絶縁性があることから、電線を覆う被覆として使われていますし、コンデンサーなどの電子部品に使用されることもあります。

電流の流れる環境では温度も高まりやすく、素材によってはその影響を受けて絶縁性が下がるケースもあります。しかしフッ素樹脂は上述の通り耐熱性も高く、200℃を超えても耐えられます。この点からも扱いやすさを説明することができます。

 

色あせなどが起こりにくい

フッ素樹脂は様々な環境に強いです。紫外線を受けたり酸性雨を受けたりしても変質・色あせも起こりにくいです。この性質は「耐候性」と呼ばれます。

色あせが起こりにくいことを理由に、屋外で使う建材や看板、自動車の外装などにも使われています。また身近なところでいうと傘にも使用されています。主に撥水加工の目的で傘にフッ素樹脂が使用されますが、撥水に付随して色あせに強くなるという副次的な効果も得られます。

 

フッ素樹脂の弱点

上記の通り、フッ素樹脂には優れた特徴がありますが、弱点も存在します。以下に挙げる性質に注意して使用する必要があるでしょう。

 

曲げやねじりの力に弱い

フッ素樹脂は「剛性」が高くないといわれています。剛性とはつまり、曲げやねじりの力に対して形状を維持する性質のことであり、剛性が低いと曲がりやすいということを意味します。

そのため曲げやねじりといった力に対して、他の材料より強度が劣るとも考えられます。しかし裏を返せば柔軟性があるとも捉えることができますし、必ずしも弱点であるとはいえません。また、他の材料と組み合わせて使うことにより強度を高めるという方法もあります。

 

一部の有機溶剤には弱い

フッ素樹脂は基本的に化学的安定性に優れていると評価できますが、あらゆる溶剤に強いわけではありません。アセトンなど一部の有機溶剤に対しては反応を起こしてしまい、損壊してしまったり軟化してしまったり、といった問題が起こり得ます。そのため使用環境については留意する必要があるでしょう。

燃えると有機ガスを発する

フッ素樹脂は、燃焼して分解されると、有害なガスを発生することがあります。そのため火災リスクの高い場所では使用が避けられることがあります。

 

コストが高い

フッ素樹脂のコストは、厳密には製造方法や具体的な種類により異なります。しかし一般的にいえば、やや高価な部類に入る材料です。例えばフッ素樹脂のように非粘着性・耐熱性を「シリコン樹脂」は持っており、フッ素樹脂よりコストが低いため幅広く使用されています。「ポリウレタン樹脂」もフッ素樹脂より低コストで製造でき、家具や自動車など広く使用されています。ただしそれぞれに最適な使用場面が異なりますので、簡単に比較することはできません。

 

まとめ

フッ素樹脂は滑らかで、熱に強く、化学的な安定性や絶縁性の高さなどの面で優れている材料です。一方で剛性(曲げやねじりの力への耐性)が高くないことや燃焼してガスを発すること、コストが高い点などが弱みであるとも評価できます。しかしながら他の材料との組み合わせ、製造・加工の方法によってはその弱点をカバーできることもありますし、今後さらに改良された材料が出てくる可能性もあるでしょう。

 

 

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