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半導体製品の分類とパワー半導体素子の重要性について

半導体は電子機器の核となる部品で、非常に重要な役割を担っています。機能性も多岐にわたり、データ処理を行う「演算用の半導体」、データを保管するための「記憶用の半導体」、データの質を変える「信号変換用の半導体」などに分けることができます。ここでは、これら半導体の製品分類について説明し、昨今特に注目されているパワー半導体についても言及していきます。

 

製品分類とそれぞれの用途

半導体の種類をジャンル分けしたとき、冒頭でも触れたように①演算用の半導体、②記憶用の半導体、③信号変換用の半導体などに分けることができます。

 

ロジック半導体

演算用の半導体に関しては、「ロジック半導体」とも呼ばれ、さらに次の種類に細分化することができます。

  • マイコン
  • MPU
  • システムLSI

マイコンは機械等に搭載される、制御用の素子です。家電や自動車など、とても幅広い用途で活用されています。

MPU(Micro Processing Unit)は「マイクロプロセッサ」とも呼ばれる素子で、高速演算の処理ができるため、コンピュータ、サーバーなどでよく活用されています。

システムLSIとは、様々な機能が1つにまとめられた、特定の目的を果たすためにシステム化された半導体素子です。LSIは「Large Scale Integration:大規模集積回路」を意味し、要は、プリント基板でこれまでICを複数搭載していたものを1つのチップにまとめたものと説明することができます。スマホやカーナビなどでよく活用されています。

メモリ半導体

記憶用の半導体に関しては、「メモリ半導体」とも呼ばれ、さらに次の種類に細分化することができます。

  • DRAM
  • NAND

DRAMとは揮発性の半導体メモリの1種で、「Dynamic Random Access Memory」の略称です。「ディーラム」と読み、揮発性であるため電源をオフすると保管していたデータは喪失されるという特徴を持ちます。パソコンやスマホなどのメインメモリとして広く使われている半導体です。

NANDとは不揮発性の半導体メモリの1種で、「Not AND」の略称です。「ナンド」と読み、こちらもDRAM同様データを記憶することが役割ですが、不揮発性であることから電源をオフしてもデータは残ります。そこでSSDやUSBメモリ、SDカードなどのストレージとして広く活用されています。 こちらもパソコンやスマホなどに使われています。

 

パワー半導体等

その他、信号を感知する・変換する・調整するなどの役割を果たす半導体があります。例として次のような種類を挙げることができます。

  • パワー半導体
  • アナログ半導体
  • 光半導体 など

パワー半導体は電力を変換するための半導体で、電圧、周波数、DC/ACの電力変換でよく利用されていて、例えばモーターや電源などに活用されています。

アナログ半導体はアナログ信号を変換したりするのに使われる半導体(AD/DA変換器アンプなど。)です。通信機器、オーディオなどの用途で使われています。

光半導体は光信号を感知し、変換するために使われる半導体で、デジカメやスマホなどにも使われています。「CMOSイメージセンサー」としても知られています。

 

カーボンニュートラルに向けてはパワー半導体の進化が重要

最近ではクリーンなエネルギーが注目されることも増えています。カーボンニュートラルが唱えられることも増え、この観点からは上記様々な半導体がある中でも「パワー半導体」が特に重要と考えられています。

 

モーターなどの電力需要が大きい

パワー半導体の省電力化が重要とされる理由の1つに、「用途別に見た電力需要の多くはパワー半導体に関わるものだから」ということが挙げられます。パワー半導体が使われるモーターの電力需要は特に割合が大きく、家電製品や照明、車両などもある中、モーターだけで4割ほどを占めているのです。

 

ウエハはSiからSiC

パワー半導体の省電力化を図るための取り組みとしてポイントになってくるのがウエハの材料の変更です。従来、ウエハにはSi(シリコン)が一般的に採用されてきましたが、次世代半導体としてSiC(シリコンカーバイド)の採用・実用化が注目されるようになっていますSiからSiCへの入れ替わることでエネルギー損失は半減させられると考えられており、世界中でSiCパワー半導体の研究開発が進められています。

 

SiCについての国際競争

SiCパワー半導体市場は今後数年以内に数倍~十数倍にまで拡大すると予測され、日本のみならず世界各国が設備投資競争を始めています。また、SiからSiCへと移行していくにつれ、各国のシェア・勢力のバランスにも変化が来ると見られています。Siパワー半導体においてはインフィニオン・テクノロジーズを筆頭にドイツが強く、次いで日本やアメリカが大きなシェアを持っていました。しかしSiCパワー半導体のシェアではアメリカが特に強く、日本はSiCに比べてシェアを小さくしてしまっています。

 

まとめ

日本政府も、パワー半導体の重要性に着目し、これから生産拠点を増大させ、競争力を強化していくとの方針を示しています。すでに富士電機やルネサス、デンソー、住友電工、三菱電機、東芝などの企業がパワー半導体製造拠点の強化に向けて取り組みを始めています。

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