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立体的半導体システム「MEMS」とは?LSIとの違いや特徴、活用例を紹介

最近注目の半導体に「MEMS」があります。最近と言ってもすでに様々なところで使われており、社会に欠かすことのできない存在となっています。ここではこのMEMSがどのようなものなのか、LSIとは何が違うのか、その他特徴や活用例についても解説していきます。

 

MEMSとは

「MEMS」は微小電気機械システムを意味する「Micro Electro Mechanical Systems」を略した名であり、「メムス」と読みます。特にMechanicalを含んでいるところがポイントで、最大の特徴であるとも言えます。電子回路のみならず、センサーやアクチュエーターといった機械的要素を一つのウエハに組み込んだシステムなのです。

 

デジタル機器における頭脳として機能するLSI(大規模集積回路)が信号を処理し、その内容を機械動作の部分へと繋ぎます。入出力の自由度が高く、出入りするのは電気信号だけではありません。物理的動作、量を測り、LSIに伝えることができますし、出力を物理的動作して行うこともできます。この場合はアクチュエーターが駆動端として出力を行います。

そのため「動く半導体」と言われることもあります。

 

また、平面ではなく立体的に積み上げていく積層技術が用いられたメカニカルな機構であることも特徴的です。3次元的に構成されていることで、システムに組み入れられた機械的要素が活かせられ、上下左右への動きが可能となります。 

よって、LSIでは「2次元配線で電気信号の入出力」であるのに対し、
MEMSでは「3次元配線で、電気信号以外にも機械変位や光信号、化学量、エネルギーなど多種多様な入出力ができる」という違いを持っています。

 

MEMSの製造技術

上でLSIとは区別して特徴を説明しましたが、広い意味ではMEMSも集積回路のひとつです。そのため製造のプロセスはLSIと近く、生産設備は流用されることが多いです。

MEMSの製造過程を簡単に説明すると以下のような流れになります。

1. 論理回路を設計

2. 回路パターンの原盤となるフォトマスクを作製する

3. 1、2とは別に、MEMSの基盤となるウエハも作製しておく

 ・シリコンを円盤状にスライス
 ・回路パターンを焼き付けるため酸化膜を形成
 ・感光剤の塗布

4. 成膜・リソグラフィ・エッチングを行い、立体構造体を作る

5. ダイシング(切断)でMEMSチップを1つずつ切り離す

6.パッケージング

シリコンウエハに成膜・リソグラフィ・エッチングを施しながら作り込んでいく過程は一般的なLSIの製造プロセスと同様です。

なお薄膜の生成では熱酸化法やスパッタ法、CVD法等が用いられ、リソグラフィでは薄膜の上にレジストを塗りフォトマスクの上から光を照射することでパターンを転写、そして必要ない部分はエッチングで取り除きます。これらの作業を繰り返すことでMEMSの構造ができていきます。

 

MEMSの活用例

一般的にMEMSは聞き馴染みのないものだと思いますが、これが活用されているモノ自体は馴染みのあるものも多いです。以下で活用例を見ていきましょう。

スマートフォン

MEMSは、小さな消費電力で様々な入出力を実現します。そのため機器の小型化のみならず、長く動作させることにも貢献します。この特性をよく活かしたのがスマートフォンです。

スマートフォンでは利用者の位置や動きなどを把握できますが、この機能のためにはジャイロセンサーや加速度センサーなどが欠かせませんし、プロジェクター機能に関してもMEMSが裏で働いています。半導体上にある微小な鏡が動き、信号を制御しているのです。他にも位置検出・光学関連、音響関連、環境センサーなどでもMEMSが用いられています。

例えば音響部分としては、MEMSの微小なマイクロフォンによってちょっとした空気の流れも読み取り、その内容を電気信号として変換し、さらに雑音も取り除いています。通話等の品質向上に役立っています。

インクジェットプリンター

インクジェットプリンターもMEMSが活用された代表例です。

ヘッド部分には超微細な穴があり、そこから噴き出すインクをMEMSによって制御しています。できるだけインクを小さい塊になるよう制御し、より印刷物の仕上がりをきれいにしています。

自動車

自動車には半導体が多数用いられていますが、MEMSも多く働いています。例えばエアバックを動かすためには圧力センサーが欠かせませんし、エンジンへ燃料や空気を送るためにはフローセンサ―なども必要です。他にも安全な運転を行うためには多種多様なセンサーが用いられ、その情報をもとに制御が行われています。

多くのMEMSが連携することで色んなタイプの情報を読み取り、その情報の内容に従った制御をし、結果として安全な運転を確保しているのです。

 

その他

他にもすべてを挙げていくとキリがないほど、MEMSは世の中で活用されています。家庭内、オフィス、工場など、また、医療でも使われています。

特にセンシングの場面ではよく活躍しており、自動的に快適な空間へと制御してくれたり、安全な状態へと制御してくれたり、便利な状態にしてくれたりもします。

 

まとめ

入出力の内容を電気信号だけに依存しないMEMSは多様なデバイスで用いられ、高機能化、自動化、小型化、省エネ化に役立っています。今後もLSI同様進化を続け、より便利で安全な社会に貢献していくことでしょう。

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