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半導体商社とは?半導体市場における役割や国内の主要商社について

半導体製造装置メーカーが製造した機器は、すべてがその装置を利用する顧客に直接渡るわけではありません。いったん「半導体商社」の仲介が入り、その上で半導体機器を使用する各メーカーに納入されるケースもあるのです。そのため半導体商社は半導体機器に関する卸売業者とも言えるのですが、商社は、ただ買い付けた装置を販売しているだけではありません。

この記事で半導体商社について、具体的な役割や存在していることの利点を解説します。また、日本国内の主要な商社についても簡単に紹介します。

 

半導体商社を介した流通の仕組み

半導体は現代のあらゆる電気機器に組み込まれていると言っても過言ではありません。そのため半導体メーカーが製造した製品は、半導体に特化した企業でなくとも購入し、利用しています。そして、ある機器を製造する上での一部品として半導体機器を組み込む場合、その機器メーカーは半導体商社を介して半導体機器を購入することになります。

 半導体メーカーは色んな半導体機器を製造し、そしてこれを半導体商社に対して販売、半導体商社は買い付けた半導体機器を各種機器メーカーに販売しています。

 

半導体商社の役割

上記の通り、半導体商社は半導体機器に関する流通の中心に位置して、様々な商品を循環させています。ただし、単に買い付けた半導体機器を販売しているだけではありません。①流通を促進することと、②製品選びのサポートの2つの役割を持っています。

 

流通の促進

顧客となるメーカーは既製品を購入するだけでは自社のニーズを満たせないこともあります。半導体メーカーに対してカスタマイズを求めたり、独自の開発を求めたり、交渉を持ち掛けたいこともあります。商社との契約を結んでおけば、各半導体メーカーに対して交渉を持ち掛ける必要はありません。商社が半導体メーカーとの交渉を代行してくれます。

商社側としては、こうした顧客のニーズを満たすために必要な相当の技術力を備えていなければなりません。ただ製品の卸をするだけでなく、その製品についてのサポートができるほどの知識が必要なのです。

 

製品選びのサポート

商社と契約しておくことで半導体機器を利用するメーカーは、利用する半導体一つひとつにつき、半導体メーカーと交渉をしなくてよくなります。また、利用すべき半導体機器の検討に関してもサポートが受けられ、メーカー側の作業負担を軽減することができます。

半導体を利用するメーカーとしては、複数の半導体機器を購入する必要があります。しかしながら1つの商社と契約を結ぶだけで、様々な種類の半導体を購入することができますし、それらをまとめて取り扱っている商社だからこその助言を受けることができます。各製品の特徴の把握、メーカー別の比較検討など、商社との契約により効率化が図れます。

 

半導体商社の近年の動向

半導体メーカーの”M&A(合併)”の流れを受け、商社も合併せざるを得ない状況になっています。半導体メーカーがそれぞれに契約している商社があったところ、合併が起こることにより利用する商社の数が絞られるという現象が起こっているからです。

例えばX社とY社がそれぞれ別々の商社2社と契約をしていたとしましょう。XとYが合併をしても、商社4社との契約が続くとは限らないのです。性質が近く、競合にあたる商社が含まれている場合にはどちらかを選択するという決断をすることがあります。そうなると半導体メーカーのM&Aにより契約が終了する商社も出てくるのです。 そこで商社側もM&Aをすることで力を強め、存続を目指すという流れが起こっています。

また、これとは別に“中抜き”の問題もあります。半導体メーカーと、その他各メーカーが商社を介さずに販売・購入を行うということです。この問題に対しては、「トレンドを押さえて付加価値を付けられるような商材も取り扱う」といった対策が取られています。単に半導体機器を売るだけではなく、例えば情報セキュリティやIoTに関するソリューションも提供できるようにするのです。こうして商社を利用するメリットを付加しています。

 

日本の主な半導体商社

日本国内では、「マクニカ・富士エレホールディングス」「加賀電子」「レスターホールディングス」が有力な半導体商社であると評価されています。各社年間の売上高が2,000億円を超えており、売上高ランキング4位以下に対し大きな差をつけています。 

マクニカ・富士エレホールディングスはマクニカと富士エレクトロニクスの統合によりできた会社で、自動運転や半導体製造装置関連の部品ニーズが増したことが近年の売上向上に寄与したと言われています。加賀電子もエレクトロニクスを専門に取り扱う商社で、特に情報機器分野で伸びています。レスターホールディングスはUKCホールディングスとバイテックホールディングスの合併によりできた会社で、海外展開などにも強いと評価されています。

 

まとめ

半導体市場は、半導体機器を作る企業とそれを利用する企業だけで構成されているわけではありません。両社の間で卸売を担う商社も重要な役割を担っています。ただ販売するだけでなく、適切な提案、交渉を行うことで全体としての効率化・最適化を図り、流通を促進しています。

 

 

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