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中国の半導体製造装置市場の実情と製造装置メーカーについて

中国は半導体産業の発展、イノベーションの促進に力を入れており、国をあげて大規模な投資を行っています。ファーウェイなど、世界的に強大な企業も生まれてきていますし、有力な半導体企業も存在します。それでは、半導体製造装置の分野はどうでしょうか。ここでは中国の半導体製造装置市場の実情、製造装置を取り扱う半導体企業について説明をしていきます。

 

半導体製造装置の例

簡単に、半導体製造装置そのもののイメージを掴んでおきましょう。例を挙げると、ウエハに回路パターンを描写するための「露光装置」、ウエハに不純物イオンを注入して半導体を形成するための「イオン注入装置」、ウエハを加熱して化学反応等を起こさせるための「熱処理装置」など、その他様々な装置が挙げられます。

この中でも特に露光装置は高い精密さが求められる装置ですし、他の装置に比べると高価です。半導体産業に限らず、あらゆる業界で使われる装置の中でもトップクラスの精巧さが求められるといわれています。そのため半導体の設計や製造プロセスも重要ですが、それらを実現するための半導体製造装置を作る技術も欠かすことのできない重要な存在です。

 

世界の半導体製造装置市場の実情

半導体そのものへの需要が高まり、半導体製造装置市場についても上向きに規模が拡大しています。日本は長い間この製造装置の分野には強く、一時期に比べるとシェアも落としていますが、それでも未だ世界シェアに負けず上位に食い込んでいます。日本国内の半導体製造装置メーカーとしては、「東京エレクトロン」「アドバンテスト」「レーザーテック」「東京精密」「ディスコ」「ニコン」などが挙げられます。世界全体の有力な半導体製造装置メーカーといえば、「アプライドマテリアルズ」「ラムリサーチ」「ASML」「KLA」などがあります。

 

中国における半導体製造装置市場

中国では半導体製造および設計・開発などが進み、ファブの生産能力も拡大しています。その影響を受けて世界の製造装置メーカーの中国市場における売上も増加傾向を示しています。これは、中国企業が製造装置の分野に強くないことと関係しています。アメリカやオランダのメーカーに依存して供給を受けており、この実情に由来しています。

 

半導体製造装置市場に関する中国の動向

現状、中国は半導体製造装置に強いとはいえず、その一方ではアメリカからの規制が強化されています。半導体工場の建設がどんどんと進められているものの、その中に配備する製造装置がなければ意味がありません。そのままでは半導体の国産化が実現できないおそれがあるため、中国でも先端装置開発に向けた取り組みが始まっています。注目されているのが、ハイテク企業向けの株式市場である「科創板(かそうばん)」です。近年取引を開始した株式市場で、製造装置メーカーだと「AMEC」が上場しています。大規模な資金調達が実現されることで、今後製造装置メーカーも伸びていくのではないかと見られています。

 

中国の半導体製造装置メーカーについて

中国の半導体製造装置メーカーも力をつけてきています。いくつか有力なメーカーを取り上げます。

 

AMEC

「AMEC(エーメック)」は、アプライドマテリアルズ出身の中国人により設立された企業です。エッチング装置などが主力製品で、高い技術力を世界から評価されています。ただ、そのAMEC自身も4割ほどは輸入に頼っています。自社の主要製品を作るためには海外から調達をする必要があるのです。そのためアメリカによる貿易規制の影響を受ける立場にあります。

 

SMEE

「SMEE」は、露光装置の製造で注目を集める半導体製造装置メーカーです。中国で唯一ともいわれる露光装置メーカーで、その意味で重要なポジションにあるといえます。既にSMICなど中国国内で90nmプロセスの製品を供給しているとされ、今後数年経てばより高度な露光技術を実現するのではないかとも考えられています。

 

NAURA

「NAURA」は、洗浄やエッチング、熱処理などに強い製造装置メーカーです。海外企業を買収したり共同技術開発を進めたり、近年急速に勢力を伸ばし製造装置メーカーの世界ランニング上位に食い込むことで、存在感を示しています。PVD装置においては中国市場の3割近くを記録し、アプライドマテリアルズに次いで大きなシェアを獲得しています。

 

まとめ

中国政府は、「中国製造2025の中で半導体の国産化を掲げ、これまで数年に渡り半導体産業の強化を図ってきました。そして今後も企業への支援策であるなど、半導体サプライチェーンの強化をしていくと見られています。

半導体製造装置の分野においてはまだ強い立場にあるとはいえませんが、AMECSMEENAURAなど、世界で戦える有力な企業も少なからず存在しています。現状だと世界トップの技術力に及ばないとはいえ、日本などと比べてかなり大きな規模で投資がなされており、急加速で成長していく可能性もあるでしょう。

 

 

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