半導体業界の仕事内容を紹介!半導体産業ならではの特徴を挙げていきます
半導体の存在そのものや、半導体について取り扱う企業が多く存在していることは周知されていることでしょう。しかしそれらの企業が具体的にどのような仕事をしているのか、業界の特色までは知らない方がほとんどかと思います。そこで半導体業界に興味のある方、今後半導体関連の企業へ就職を検討している方などに向け、仕事内容とその特徴を簡単にまとめていきます。
研究開発:人材不足に悩む
半導体業界と言っても非常に多様な企業が活動をしており、事業規模に応じた様々な部門・職種が存在しています。ただ、これを大きな枠で分類した場合には「研究開発」「製造」「営業」に分けることができます。もちろん、事務職やその他色んな仕事も活躍していますが、ここではひとまずこれら3つに焦点を当てて紹介していきます。
まず研究開発に関してですが、こちらは製品を作る前段階の、「どのような製品を作るのか」ということを考える仕事にあたります。最終的にはその製品が売れなくてはなりませんので、営業部門とも連携し、技術レベルの高さのみに着目するのではなくニーズに即した製品構想を立てることになります。
企業内では「R&D」と呼ばれる部門で活動することもあります。
パターンとしては「縦割り」と「横割り」があり、前者では製品単位での担当、後者では材料や回路といった研究項目単位での担当をすることになります。それぞれに良さがあり、製品ジャンルや研究ジャンルに応じて傾向はあるものの、実際のスタッフ構成は企業の運営体制によって変わってくるでしょう。
研究開発で働く人材はやはり理系出身者がメインで、高い知識・技術が求められるこの部門では人材不足の問題に直面しており、今後さらにその問題は深刻化していくとみられています。
働き方改革など、作業効率を上げることで多少の緩和はできるかもしれませんが、研究開発では新たなアイデアや技術の創出が重要視されるため、人材不足による問題は他の職種と比べても深刻といえるでしょう。
製造:クリーン度が重要
R&D部門の仕事により、製品の内容、設計が定まれば、実際に製造を行います。研究開発はより良いものを作るために欠かすことのできない前提となりますが、製造工程を欠いてはモノの提供ができませんので、こちらも同等以上に重要な過程といえます。
そして半導体業界における製造で特徴的なのは、生産ラインのクリーン度です。どんな業界でも清潔で綺麗な環境であることは大切ですが、半導体の生産ラインはその比ではありません。単に「きれいな製品を作る」ことを目指しているわけではないからです。半導体においてはクリーンでなければその製品が機能しなくなってしまうのです。
微小なゴミが付着してしまうだけでも大きな影響を及ぼすため、作業員はエアシャワーでほこりなどを取り除き、工場内の空気の流入なども徹底して管理されています。
なお、基本的には24時間体制で稼働する工場が多く、三交代勤務となっているケースが一般的です。これはただ多く製造するためではなく、再稼働にかかるコストや時間などを削減するためです。つまり工場には安定的に製品を供給できることが求められ、特に日本においては地震などの自然災害にも耐えられる工場であることが重要になってきます。
営業:技術的知識が求められる
技術者たちによって製品ができあがっても、それを企業活動として繰り返すためには利益を出さなくてはなりません。そこで売上に直結する業務も必要です。ここを担うのが営業です。
そのため半導体業界といっても技術者ばかりの集まりではなく、マーケティングや顧客対応、プロモーションなどを行う従業員も存在しています。営業職は上記R&D部門や製造部門で働く従業員と比べても、社外の人との繋がりが強くなりますので、コミュニケーション能力や協調性、交渉力、その他一般事務のスキルなど、雑多な能力が求められます。
ただ、他の業界と大きく異なるのは、営業職といっても豊富な技術的知識を身に付けていなければならないということです。なぜなら、一般消費者が日常生活で触れる商品などと比べても、取り扱う商品の専門性が高く、浅い知識では商品のアピールができないからです。
半導体について高度な知識を持っていなければ顧客からの質問に答えることができず、売上に繋げることができません。
そのため理系出身者や元技術者などが営業を行うケースも珍しくありません。また当然ながら、半導体に関する一般論を語れるだけでは不十分で、自社の製品について非常に細かいところまで理解していなければなりません。そこでR&D部門との連携も図り、常に情報収集をしていなければなりません。
まとめ
半導体業界における仕事、特に「研究開発」「製造」「営業」の3つに着目して解説しました。ここでは大枠を紹介したに過ぎませんので、詳しく知りたいという方は興味あるメーカーでどのような体制が取られているのか調べてみると良いでしょう。
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