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半導体市場に関わる中国の有力企業について

世界でもっとも人口の多い中国は、国内に大きな半導体関連企業がいくつもあり、半導体産業における強い勢力となっています。ここでいくつか中国の有力な企業を紹介していきますので、どの企業がどんなことをしているのか、どのような特徴を持っているのか、整理していきましょう。

Huawei(ファーウェイ)

ファーウェイは通信機器メーカーです。中国に本社のある企業ですが、同社のスマホは国外にも流通していますし、日本でも比較的知名度のある中国企業と言えるでしょう。

 

設立は1987年、携帯電話のインフラ整備で必要な通信機器を開発するベンダーとして誕生しました。そこから今では世界でも有数のプロバイダーとなっており、SIMフリースマホといった端末などの分野でも急成長をしています。2019年には世界170ヵ国500社以上の通信事業者にインフラを提供していますし、スマホは出荷台数およびシェアが世界トップクラスです。全世界における市場占有率で、Appleに並ぶほどの実績を持ちます。

同社の特徴として、毎年の投資額の大きさなどが挙げられます。毎年売上高の1割以上を研究開発費に回すなど、技術開発に向けた投資が盛んです。半分近くの従業員が研究開発事業に従事していると言われており、そこでは特定技術の開発のみならず基礎学問の研究・応用研究なども行われています。

 

半導体の輸出規制について

ファーウェイは半導体メーカーそのものではありませんが、通信機器メーカーであるため、半導体市場の影響を受ける立場にあります。こうした関係性から、現在、半導体産業に関して中国と強い対立関係にあるアメリカからの圧力を受けています。

 

アメリカが、半導体を輸出している企業に対して規制を強化したのです。その結果、世界最大のファウンドリ企業であるTSMCもファーウェイからの受注を止めるなどの措置を講じています。他にも、イギリスは2027年までにファーウェイ製のものを排除するとの意向を示しています。この制裁によりファーウェイは半導体の調達が難しくなっています。

しかしながら同社は独自に半導体の開発を進めていますし、事業も継続できています。国内にも半導体メーカーは存在していますし、国の規模が大きく、国内だけでも大きな需要があるからです。

 

HiSilicon(ハイシリコン)

ハイシリコンファーウェイの子会社で、半導体の設計開発を担うファブレス企業です。2019年前後で大幅な成長を遂げており、売上高も前年比で数十%も増しています。この成長率は他の半導体メーカーと比べても相当に高く、トップクラスのメーカーです。

また前項で説明した通り、アメリカと中国の対立関係激化に伴い海外からの輸入に制限がかかってしまったため、ハイシリコンの重要度は増していると評価されています。同社では、ファーウェイ製向けのSoC5G IoTに関わる製品の製造も行っています。

 

紫光集団(しこうしゅうだん)

中国国内でトップクラスの半導体メーカーとして、「紫光集団」もいます。中国でトップの大学である清華大学と関連のある企業です。国内にメモリ半導体を製造するための巨大な工場をいくつも建設し、やはり同社も中国内での半導体自給率を向上させる重要なプレイヤーになっています。

 ただ同社は急速な経営拡大を図った結果、現在倒産状態にあると言われており、現在再建手続を進めています。

 

SMIC

SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporationは、国策として運営されている、国営の半導体ファウンドリ企業です。

 

ファウンドリ企業ですし、高機能・高性能な製品開発や省エネ、チップの複雑性改善などに向けた技術開発に強みがあります。その他幅広い製造技術に対応しており、現在優れた業績を出していると言われています。2021年の決算によれば売上高が前年比で4割ほど増しており、純利益も倍以上に達しています。

 その背景には、世界的な問題となっている半導体不足があります。自動車メーカーなど、多くの業界で深刻化していますが、半導体メーカーとしては大きなニーズを得るきっかけにもなっているのです。

 

AMEC

AMECは製造機器メーカーとして有力な企業です。アメリカのAMAT(アプライドマテリアルズ)出身の中国人により設立されたという背景を持ちます。強みとしている製品には、「プラズマエッチング装置」「MOCVD装置(化学反応で基板上に薄膜を作る装置)」などがあります。

 

BAT

ファーウェイ同様、BATのような超大手企業も半導体市場に関わっています。BATとは中国トップのプラットフォーマーである3社「バイドゥ(Baidu)」「アリババ(Alibaba)」「テンセント(Tencent)」の頭文字をとった呼び名です。

BATは各々AI半導体に注力しています。ディープラーニングなどのAI演算を行うための、高性能・高効率の半導体の重要度が増しているからです。独自にAI半導体の開発を進めたり、AI半導体を開発するメーカーに投資をしたりしています。

 

まとめ

ファーウェイやハイシリコン、SMICAMEC、そしてBATについてここでは触れましたが、中国は巨大な国家ですので他にもまだまだ有力な企業は存在しています。これらの企業が今後さらに成長し、日本や世界中に進展していくことも起こりえるでしょう。

 

 

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