半導体製造装置メーカーで働く従業員の仕事内容について

2023.01.16(Mon)

半導体

半導体製造装置メーカーで働く従業員の仕事内容について

半導体の材料や製造装置などの存在は欠かせません。しかし現実に半導体機器を製造するには、その業界で働く人員が必要です。そこでここでは半導体製造装置の業界で働く従業員に着目し、技術職や営業職など、それぞれの仕事内容を紹介していきます。

工程によって業務内容は異なる

半導体製造装置の生産工程は、①研究開発、②生産、③納入に分けることができます。この大きく3つの工程で従業員の仕事内容も分けて説明されます。

例えば①および②に関しては、技術職であるエンジニアが主に活躍します。
半導体製造装置を設計したりカスタマイズしたりする「メカエンジニア」がいれば、装置全体の仕様決定を担う「プロセスエンジニア」もいます。これらはいずれも清掃装置のシステム開発の領域であり、研究開発にあたります。他方、生産工程では、電子回路の設計やモーターの設計などを担うエンジニアやソフトウェア制作を担うエンジニアなどが活躍します。実際に部品やシステムを生み出します。

営業職も欠かせません。良いものができても、上手く販売をすることができなければ意味がないからです。そこで顧客に対する自社製品の提案、販売計画の策定などを担う「セールスエンジニア」や納入後のサポートなどを担う「フィールドエンジニア」といった営業職も活躍します。技術職と営業職は完全に分離できるものとも限らず、例えばフィールドエンジニアに関してはその性質上、技術職としての側面も持ちます。そうでなくては具体的なサポートを実施することができないからです。

技術職の仕事内容

半導体製造装置メーカーでは、工程ごとにチームを組むケースが多いです。そして、機械（メカ）分野、電気電子（エレキ）分野、ソフトウェア分野、プロセス分野に分かれます。

機械分野
半導体製造装置の機構や筐体の設計。強度の分析、熱解析などを行う

電気電子分野
回路設計、モーターやガス、プラズマなどの制御システムの構築

ソフトウェア分野
制御、あるいは通信するためのソフト、データ処理ソフトなどを制作

プロセス分野
製造装置の仕様を決める。顧客とのやり取りを通じて提案をしたりニーズ解析をしたりする

プロセスエンジニアは顧客とのやり取りが発生する点で特徴的で、装置設計全体の指揮をとる立場にあります。

営業職の仕事内容

細かい点は勤め先の企業によって当然異なりますが、営業職は、技術職に比べて幅広い業務内容となるケースが多いです。顧客と直接関わる仕事でもあるため、自社の信頼・信用に大きく寄与する存在であるとも言えます。具体的には次のような業務を担います。

顧客との商談

売上管理

納期調整

販売交渉に関する戦略策定

海外出張　など

営業職でも技術面に精通していることが望ましいです。顧客とのミーティングの結果、技術検証を実施しなければならなくなることもあり、その場合には新たに開発のプロジェクトを立ち上げるだけの知識が求められます。半導体製造装置に関して顧客が求めるものを作るべく、新チームに必要な人材の選出なども行います。顧客との打ち合わせも多いため、移動も多く、忙しいスケジュールで日々活動することも多いでしょう。

海外営業も重要

日本は半導体製造装置の分野に強く、装置に対する海外からのニーズも大きいです。そこで、海外営業も積極的に行う必要が出てきます。

例えば半導体製造装置メーカーとして日本トップの東京エレクトロンは、売上のほとんどを海外顧客から出しています。どこをターゲットとするのか、各メーカーによって違いはあると思われますが、世界規模で市場が拡大している半導体製造装置市場に対応するためには海外向けの営業活動も欠かせません。

半導体製造装置メーカーで働く上で必要なスキル

半導体製造装置メーカーと言っても、従事する業務内容に応じて必要なスキルは異なります。例えば営業職に就く場合、コミュニケーション能力やプレゼン能力、交渉力などが重視されます。スケジュールの管理能力も必要とされます。業務内容に応じてまったく異なるスキルが必要になることから、企業側としては適材適所を見極めるための制度が必要となるでしょう。大手メーカーが取り入れている人事制度などをチェックしてみると良いです。

また、就職時にすべてのスキルが備わっている必要はありませんし、そのような人材はごくまれにしか出てこないでしょう。そこで企業側は教育制度も用意することが望ましいです。自社で従事する従業員のスキルをさらに高めていくため、学習機会を与えること、そして実務の中でリーダーを育成していくことも有効です。