ダイフクとは?半導体製造にも関わる物流システムのトップメーカーを紹介
半導体製造において重要なのは材料だけではありません。工場での稼働率を向上させ、生産をストップさせないためには、搬送システムなどの技術も必要です。この搬送システムなど、円滑なプロセスを実現するためのソリューションを提供する「ダイフク」というメーカーがいます。当記事ではダイフクについて言及し、具体的にどのような事業を展開しているのか紹介します。
ダイフク(Daifuku)の概要
「ダイフク(Daifuku Co., Ltd.)」は、搬送や保管に関わるシステムを手掛けているメーカーです。日本、大阪に本社を置く企業で、創業から90年近く経つ老舗でもあります。
搬送・保管の分野で世界トップクラス
搬送や保管の分野における市場では、トップのシェアを持ち、新工場を設立するなどさらなる拡大も目指しています。半導体製造装置メーカー全体で見ても、日本で7番目の売上高を誇ります。その他の国内トップクラスのメーカーは半導体製造に関わる装置を主に取り扱っていますが、ダイフクは製造工程の前後で利用する搬送や保管のシステムを取り扱っているという特徴を持ちます。
半導体製造における搬送システムの重要性
半導体生産でも自動化は非常に重要です。高い技術力だけで高い生産力が実現されるわけではなく、自動化による高効率の製造環境を整える必要があります。 製造工程全般の自動化を進めるにあたり、半導体材料の自動搬送システムも重要な役割を担います。
それ自体製造を担うシステムではないものの、工場の24時間稼働を可能とするために欠かせない存在です。搬送システムが止まってしまうと半導体製造全体がストップしてしまいます。そのため搬送システムにも高い信頼性が求められます。ダイフクはこの分野で高い評価を受けており、同分野で世界をけん引する存在として活動を続けています。その他の搬送システムメーカーには次のような企業が挙げられます。
- デマティック(アメリカ)
- シェーファー(ドイツ)
- ファンダランデ(オランダ)
- ハネウェルインテリグレーテッド(アメリカ)
- 村田機械(日本)
なお、同社は搬送システムのみならず、その他半導体製造装置の製造事業、そして電子機器や自動車に関する事業も行っています。
ダイフクの主な事業
ダイフクは様々な事業を行っていますが、各事業で共通しているのは「マテリアルハンドリング」に携わっているということです。つまり「モノを動かす」技術や製品に強みを持っているということです。保管や搬送、仕分け、ピッキングなど、マテリアルハンドリングに関する様々な技術を組み合わせることで最適なソリューションを提供しています。各事業について、以下で簡単に紹介します。
流通業向けのシステムの提供
小売や卸、倉庫、運輸などの流通分野から、機械、薬品、食品などの製造分野まで、幅広く物流システムを提供しています。例えば、倉庫での自動化を図るための搬送システム、各種保管システム、仕分けやピッキングシステム、そしてこれらの組み合わせからなる最適化されたシステムを提供してくれます。また、近年注目が集まるAIやIoTといった技術を活用し、スマートロジスティクスの実現もサポートしています。
クリーンルーム向けシステムの提供
半導体の製造ではクリーンルームが不可欠です。人間の目で視認できない微小な粒子でも半導体機器に致命的な悪影響を及ぼすことがあるからです。液晶の製造でも同じことがいえます。これらクリーンルームで使用する保管・搬送システムもダイフクは提供しています。国内のみならず世界中のメーカーに対してシステムを提供しており、また、設備単体での提供だけでなく工場全体としての稼働率向上を目指すソリューションの提供なども行っています。
自動車生産向けシステムの提供
オートモーティブ分野でも活躍しています。近年は半導体製造に関わるシステムで売上を伸ばしていますが、ダイフクは長きにわたり自動車メーカーに対して多くのソリューションを提供してきたという実績も持っています。具体的には、国内外の自動車メーカーが抱える生産ラインに向けた搬送システムの提供です。
また、カーディーラーやガソリンスタンド向けに、洗車機や洗車に関連する様々な製品も提供しています。連続洗車機、静音や節水といった機能性を備える洗車機など、多様な製品開発にも取り組んでいます。
空港向けシステムの提供
製造過程の部品や材料などの搬送を自動化するだけではありません。その技術は空港における荷物の搬送ラインにも役立てられています。すでに北米や欧州、アジア、オセアニアなど幅広いエリアで事業を展開しており、自動での手荷物チェックインシステム、セキュリティシステム、手荷物搬送ラインなどのソリューションが提供されています。
電子機器の提供
ダイフクには「コンテック」という子会社もいます。同社は主に電子機器の製造販売を行っており、産業用のコンピュータ、計測制御システム、IoT機器などもダイフクグループから提供されています。
まとめ
ダイフクは、システムを構成する機器やソフトウェアの開発まで、幅広くグループ会社内で対応しています。そのため設計から保守にいたるまで一貫したサポート体制が構築されており、この点にも強みを持っています。複雑な条件に適合したソリューションの提案など、顧客の多様なニーズにも応えることができるメーカーです。
関連ページ:⇨TSMCとはどんな企業?世界トップの半導体企業を紹介
関連ページ:⇨半導体関連の研究開発トレンド6選。注目のテクノロジー
関連ページ:⇨世界の半導体メーカー企業ランキング10社を紹介!
関連ページ:⇨弊社の製品・技術をご紹介