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ASMLとは?EUV露光装置で有名なオランダの半導体製造装置メーカーを紹介

半導体業界で注目されている技術の1つが「EUV露光」です。その先頭を走る企業がオランダの「ASML」です。半導体チップの製造に欠かせない重要な装置をASMLは世界に向けて供給しており、現代社会のデジタル化を支えているともいえます。この記事ではそんなASMLの概要や主要製品のことなどを紹介します。

 

ASMLの概要

ASML(ASML Holding N.V.)は、オランダを拠点に事業を展開している世界的な半導体製造機器メーカーです。同社は特に露光装置の分野で世界をリードしており、EUV(極紫外線)装置の製造では圧倒的なシェアを誇っています。ASMLの起源は1980年代に遡ります。オランダの大きな電機メーカーであったフィリップス社が、半導体製造装置の開発を専門とする会社の設立を決定。ここからASMLがスタートしたのです。

現在では世界各地に多数の拠点を設けています。オランダやアメリカ、中国、韓国、そして日本にそれぞれ数か所ずつ拠点を設置。ASMLはこれらの各地域において半導体製造装置の生産、販売、保守、サービスを提供しています。また、それぞれのエリアには研究開発センターも設けられており、半導体技術の開発も行われています。日本支部に関しては、横浜市に位置しており、その他東京や名古屋、大阪、仙台にも支社が設けられています。半導体製造装置の販売等を行うほか、日本の半導体メーカーとの協同研究なども実施されています。

 

EUV露光装置のメーカーとして有名

設立当初のASMLは、母体となるフィリップス社から提供される技術をもとに開発・製造を行っていましたが、その後自社の技術開発にも注力をし始め、世界で初めてとなるEUV露光装置の開発に成功したのです。

EUV露光装置は既存の露光装置よりも細密なパターンを作成することができ、半導体素子の高精度化・高性能化を実現する重要な役割を担います。この成功はASMLに大きな利益をもたらすことはもちろん、半導体業界全体にとっても大きな利益をもたらしました。ASMLEUV露光装置の開発成功を機に、半導体製造装置メーカーとしての世界トップクラスの地位に立っています。同社の装置が世界中の半導体メーカーに供給され、半導体技術の革新に大きく貢献しています。

 

ASMLの主な製品

ASMLは、EUV露光装置などのリソグラフィシステムはもちろん、シリコン上でのパターン形成に必要なハードウェアからソフトウェア、その他関連するサービスを同社は提供しています。以下では①リソグラフィシステム、②計測・検査システム、③コンピュータリソグラフィ、の3つに分けて紹介します。

 

リソグラフィシステム

ASMLのEUVリソグラフィシステムは、高解像度での大量生産実現を支援する存在です。その中心的存在が「NXEシリーズ」です。EUVを用いて高精細なリソグラフィを実現し、最先端のマイクロチップの大量製造を可能にしています。

13.5nmという、X線レベルの極めて短い波長を用いることで微小なスケールでの加工を行います。また、EUV露光装置より安価なDUV露光装置の開発・提供も行っています。DUVとは深紫外線光のことであり、この装置も半導体チップ上に回路パターンを形成するために機能します。波長に関しては193nm程度であり、成熟した技術により安価な製造を支援してくれます。

 

計測・検査システム

ASMLの計測および検査システムは、光学と電子ビームの技術を応用することで、ウエハ上のパターン品質を迅速かつ正確に測定することを可能にしています。同社のコンピュータリソグラフィとパターニング制御ソフトウェアを組み合わせることで、高効率・高パフォーマンスでの半導体チップ大量生産が期待できます。

特に同社の「YieldStar光学計測」は信頼性の高いソリューションであると評価されています。また、「HMI電子ビームソリューション」により、チップの欠陥を特定、分析することも可能です。これらの技術の採用は、半導体の品質向上および生産効率向上に大きく貢献することでしょう。

 

コンピュータリソグラフィ

ASMLのコンピュータリソグラフィとは、チップの製造過程における精度と品質を向上させるための技術の1つです。リソグラフィのシミュレーションを実行することで、生産効率やパフォーマンスを最適化することが期待できます。

例えばリソグラフィには、微細なパターンの加工をするとき、光の回折や物理・化学反応により変形してしまうという課題があります。そういった課題を解決するために、コンピュータリソグラフィは製造プロセスをモデリング。そのモデルに従ってパターンを最適化するのです。望ましい結果を得るために、あらかじめパターンを調整し、変形を補正します。リソグラフィシステム、そして計測・検査システムが一体となって機能することで、より効率的に、高精度でチップを製造することが可能となります。

 

まとめ

今回、オランダの半導体製造装置メーカー「ASML」について紹介しました。同社が開発・製造するEUV露光装置や計測・検査システム、コンピュータリソグラフィは、現代の高度な半導体デバイスの製造を実現する重要な役割を担っています。ASMLの技術が進化を続けるということは、より高度なデジタル化が進むということであり、私たちの生活がより豊かなものになっていく可能性も秘めています。

 

 

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